姿勢の改善を筋トレだけで矯正しようとしている貴方!ちょっと待って!

悪い姿勢を治す為の筋トレは決して間違ったことではありません。間違っているのは、筋トレを行う側の知識不足です。間違った筋トレは姿勢を悪化させるだけではなく、新しい悪い姿勢を引き起こす可能性もあります。当記事では、筋トレと姿勢の改善の関係性についてまとめました。

姿勢を改善させる前に

家族や上司から姿勢の事を指摘された。よし!姿勢改善する為に筋トレを始めるぞ!と無知なままで姿勢改善を行おうとしているのであれば、今すぐ筋トレを中断すべきです。姿勢改善の為の筋トレは、体力づくりの筋トレとは大きく手法が違います。以下の3つの項目が最初のステップです。

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自分の今の姿勢を把握する

まずは自分の姿勢を知る所から始めましょう。

自宅の壁を背にして、踵を壁にくっつけた状態で立ってください。

その状態のまま腰の部分に手の平を入れ、その手の平に自分の体が触れるか否か?また触れないのであれば何本の手の平が入るか?で自分の普段とっている悪い姿勢が判別できます。

その上で、強化すべき筋肉はどこなのかを決定します。この壁を使った姿勢診断(以下壁診断)で4種類の悪い姿勢が判別できます。

猫背…背中が壁に当たっているが、頭部が壁にくっつかない

反り腰…腰の隙間に手の平が2枚以上入る

フラットバック…腰の隙間に手の平が全く入らない

スウェイバック…壁に背中がつくが、お尻がつかない

【出典:ストレッチポール公式ブログ:https://stretchpole-blog.com/posture-improve-883 】

この4種類です。1つずつ説明していきます。

猫背…骨盤が後ろに極端に傾いて起こる悪い姿勢の代表格です。背中の骨が丸くなり、首が前方に突き出したような形になります。この状態の筋力のバランスは、腹筋が衰え、背筋が凝り固まっている状態です。また、首を支える為に肩の筋肉にも負担を与えています。

猫背の強化項目…背筋、腹筋の筋肉強化トレーニング

反り腰…骨盤が前傾することで起こる女性に多い悪い姿勢です。特にハイヒールを常用している女性に多く、腰痛はもちろん、女性特有の痛み(生理痛、排卵痛等)がひどくなる事もあります。

反り腰体型の人は大殿筋(お尻上部の筋肉)とハムストリングス(太ももの裏側)、骨盤を支える腸腰筋が衰えている人が多いです。

反り腰の強化項目…お尻、太もも裏、腰回りの筋肉強化トレーニング

フラットバック…猫背予備群ともいえる悪い姿勢です。一見姿勢がいいように見えますが、上半身の動きを腰だけで行う状態になる為、腰痛になりやすい体型です。反り腰で述べた腸腰筋が衰え、筋肉が緩みすぎていると、このフラットバックが起きやすくなります。

フラットバックの強化項目…腸腰筋、体幹強化トレーニング

スウェイバック…中高年に多い別名「疲労姿勢」です。疲れてソファーに座り込む際の姿勢に似ています。また、ボクシングの防御テクニック「スウェイ」の体勢にも似ていることから、この悪い姿勢の名前の由来にもなっています。胸の部分が後方にへこみ、腹部と腰の後ろで上半身を支えているような状態になります。見た目の印象も悪く、だらしがない、人生に疲れているといったネガティブな要素を与えてしまいます。スウェイバックの人は背筋の上部、腹筋、太ももの前面の筋肉が衰えている場合が多いです。

スウェイバックの強化項目…腹筋、背筋(脊柱起立筋群)、脚部前面の強化トレーニング

 

悪い姿勢を治すための計画を立てる

自分の悪い姿勢を知った段階で次に行うのが、姿勢矯正のための計画を立てる事です。

筋トレで衰えた筋肉を鍛える一方で、凝り固まった筋肉をほぐすストレッチも同時に行う必要があります。

また、日々の生活習慣で身に付いた悪い姿勢を改善する為の環境整備を計画する必要があります。

姿勢矯正の3つの柱は「筋トレ」、「ストレッチ」、「生活習慣の改善」です。

それぞれを事前に計画しておくことで、姿勢を改善する為に何をすればいいかが明確になります。

 

悪い姿勢にしている環境を変える

生活習慣の改善と一口に言っても、それまで身についてきた習慣、クセは中々改善しません。よほど意識していないと、元の生活習慣に逆戻りしてしまい、姿勢矯正が成功しても、すぐに悪い姿勢に戻ってしまいます。そうならない為に必要なのが生活環境の改善です。生活環境の改善には、仕事先での環境改善と自宅での環境改善の2種類があります。

仕事先での環境改善は主に、座ったり、作業をしたりする机や椅子の高さ、パソコンの画面やキーボードの位置の変更が挙げられます。特に重要なのが「座る」環境の改善です。なぜ重要かと言うと、座るという行為には「骨盤」が使われているからです。骨盤はすべての悪い姿勢に係わる重要な骨格です。骨盤が歪むことで猫背や反り腰が起きますし、悪い姿勢をとることで骨盤に過剰な負荷がかかってしまいます。

その為「座る」環境の改善が特に重要というわけです。

自宅での環境改善も仕事先の環境改善に近いです。

自宅の場合、「座る」、「立つ」に加え、「寝る」という環境が入ってきます。

要は枕の高さや布団の硬さです。

また、座るに関しても仕事と大きく違う場合があります。それが床に「座る」という行為です。ソファーやチェアーで生活する分には、仕事先の座る環境改善と同じように直せますが、床に座っている場合には、テレビ画面の角度や距離、座椅子の高さ等の要素が加わってきます。普段のリラックス出来る環境を変化させるわけですから、慣れるまで少し時間がかかると思います。しかし、正しい姿勢に矯正したいのであれば、多少の不自由さは覚悟しなくてはなりません。その不自由さが正しい姿勢の人にとっては、生活しやすい環境に他なりませんからね。

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いざ姿勢改善プログラムの開始!

環境を整えたら姿勢改善計画の開始です。

 

まずはストレッチ。悪い姿勢でこり固まった筋肉をほぐすべし

筋トレを行う前に、こり固まった筋肉をほぐすストレッチを行いましょう。

これも自分の悪い姿勢でこり固まっている筋肉を把握して行うことが重要です。

猫背の人が足部分のストレッチをしても姿勢矯正に関連していないのであれば行う必要はありません。

自分の姿勢矯正に必要なストレッチを重点的に行いましょう。

ストレッチで筋肉をほぐすのには科学的根拠があります。皆さんはリハビリテーションという言葉を聞いたことがありますよね?ストレッチもこのリハビリテーションと同じ「理学療法」の一種なのです。

理学療法とは簡単な運動などを通して体の血流を促進させ、体の内部から患部を治療する方法を指します。

血流が促進されると、冷え性等が改善され、激しい筋肉トレーニングを行っても、つらい筋肉痛に悩まされることも少なくなります。筋肉がこってしまうと、血流が阻害されてしまいます。猫背の人は首すじや頸椎などの血流が阻害されやすいので、ストレッチを行うことで偏頭痛等の症状が回復する事もあります。

ストレッチをした部分が温かくなってきたら血流が回復している証拠です。

 

こりが取れないようであればプロに頼むのもOK

自分ひとりの力でストレッチが出来ない場合は、マッサージ師や鍼灸院でコリをほぐしてもらうことをオススメします。

やはり人体のプロですから、筋肉や関節などの痛みに関しての知識が豊富です。色々な相談に乗ってくれることもあるので、マッサージがてら姿勢矯正トレーニングに関して質問してみてもいいでしょう。

ちなみにマッサージや鍼灸院では針治療なども行っている所があります。東洋医学の神髄ともいえる針治療を施術してもらえば、これから行う筋肉トレーニングの効果を最大限に引き出す事が出来ます。

 

姿勢改善筋肉トレーニングの開始!

実際に自宅やジム等で筋力強化トレーニングを行います。大事なことを2つ挙げます。

 

自分の悪い姿勢で衰えた筋肉を重点的に正しいフォームで行うべし

まずは計画通りに衰えた筋肉を強化する為のトレーニングを重点的に行いましょう。

ジムではたくさんの器具があります。どれも使い方やフォームを間違えると、違う筋肉を鍛えることになったり、間違ったフォームで筋トレすることで怪我を負ったりすることもあります。

自宅で行う場合には、動画等を参考にしてトレーニングをしましょう。実際のフォームを家族にチェックしてもらってもいいでしょう。

ジムでは専属のトレーナーの補助を活用しましょう。特に器具に関しては扱い方が複雑なものもある為、トレーナーのアドバイスを素直に聞き、正しいフォームで筋トレするようにしましょう。

 

筋トレはバランスが大事?

重点的にトレーニングを行う場合、筋肉のバランスが崩れる事があります。

例えば、猫背の人が姿勢矯正の為に背筋強化トレーニングばかりを重点的に行い、腹筋の強化トレーニングを行わないと、筋肉のバランス比が崩れます。バランスが崩れると猫背を治すはずが、いつの間にかフラットバックや反り腰になっていることもあります。その為、重点的なトレーニングを計画する際には、鍛える筋肉の反対側の筋肉も強化する必要があります。

計画の段階でトレーニングメニューに反発する筋肉の筋トレも組み込んでおきましょう。

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まとめ

姿勢改善の為の筋トレの理解は深まりましたか?筋トレをやるのが悪というわけではありません。しっかりと目的意識をもって、筋トレ以外の要素を改善しつつ、トレーニングを行う事が出来れば、自然に正しい姿勢をとることが出来るようになります。

正しい姿勢を維持する事の方が実は大変だったりします。それを踏まえて、姿勢改善計画を作ってみませんか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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