1日も早い完治のために…肉離れの治療期間と治療法

運動中に切れたような鋭い痛みが起こり、走るだけでなく歩くことさえままならなくなる「肉離れ」。痛みは消えても、筋肉が回復し完治するまでに時間がかかるため、非常にたくさんのアスリートが、この肉離れに悩まされています。

アスリートの中には、焦って練習に復帰してしまい、再発を繰り返し、クセになってしまったという方も多いようです。

実際、肉離れは2週間以内に再発しているというデータもあります。

肉離れの早期完治のためにも、肉離れの治療に掛かる期間や治療法について、あらかじめ知識を持っておきましょう。

肉離れの痛みについて

筋肉は細い繊維状のタンパク質が束になって構成されていて、さらにそのまわりを薄い膜(筋膜)に覆われ、各組織と繋がっています。この筋肉が伸びきってしまったり、筋繊維の一部または全部が切れた状態が肉離れです。

肉離れは筋肉の“裂傷”のため、筋肉痛のように筋肉が炎症して起こる鈍い痛みではなく、切り傷や擦り傷のような鋭い痛みが特徴的です。軽度の場合は、筋膜のゆがみや炎症であることもありますが、筋断裂になると「ブチッ」というゴム紐が切れたような音がしたり、内出血が見られる場合もあります。

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肉離れの症状レベルと治療期間の目安

肉離れは、発症したら病院や治療院などでしっかり診断してもらい、自分の症状がどれぐらいかを知ることが大切です。

レントゲンでの診断が難しいため、MRIなどの設備が整った病院で受診してもらうことをおすすめします。

肉離れの症状の度合いは、以下の3段階に分けられます。

■ 軽度(1度)― 完治まで数日~3週間

  • 微細断裂。筋や腱の組織が微細に損傷した状態。
  • 患部を押すと痛みがある。
  • 歩行はできるが、ランニングやジャンプでは全力が出せない。

■ 中度(2度)― 完治まで1ヶ月~3ヶ月

  • 不完全断裂。筋肉の一部が損傷、または部分的に断裂した状態。
  • はっきりと患部に圧痛を感じる。
  • 歩行が可能なこともあるが、ランニングやジャンプは不能。

■ 重度(3度)― 完治には手術が必要な場合あり

  • 完全断裂。筋肉の大部分が断裂、もしくは完全に断裂した状態。
  • 圧痛や自発痛など、痛みを顕著に感じる。
  • 歩行が完全に不能。

肉離れ完治までの治療の流れ

肉離れの治療は、ほとんどの場合、手術を行わずストレッチなどの保存療法で治療されます。専門の医師や治療院などの指示に従って、最適な治療を受けるようにしましょう。

肉離れ治療の保存療法は、以下ように段階を追って進められます。

1.急性期(受傷直後~数日間)

肉離れは、症状によって治療期間が大きく変わります。受傷直後は患部の保護と炎症のコントロールを最優先に、アイシングや弾性包帯での圧迫を行い、安静にします。受傷後3~5日間はストレッチや筋力トレは厳禁です。

2.亜急性期(数日後~数週間)

数日置いて痛みが軽減してきたら、ハムストリングを伸ばして、痛みがあるかどうかを確認します。肉離れの程度によって治療の進め方が変わるので、医師や理学療法士などに相談しながら進めましょう。

3.回復期(数週間後~)

症状が落ち着いてきたら、少しずつ元の状態に戻るよう筋肉のコンディションを整えていきます。荷重やストレッチから徐々に歩行、ジョギング、ジャンプといった具合に段階的に負荷を上げていきます。無理をすると再発する場合もあるので、慎重に柔軟性を高めながら筋力アップを実践し、完全復帰を目指します。

肉離れは、湿布を貼れば早く治るのか?

今のところ、肉離れを治す特効薬などはありません。自然治癒によって損傷した筋肉が、元のように修復されるのを待つしかない、というのが実情です。

受傷直後は、アイシングによる冷却やテーピング等での固定・圧迫がなされますが、これは出血・炎症を抑えるための処置。また、病院などでは、内服薬や湿布薬を処方される場合もありますが、これもあくまで患部の痛みや炎症の症状を和らげるためのものです。

湿布薬については、市販のものではメーカーや商品ごとで使われている薬品が異なる場合もあります。薬についての知識がない場合は、医師から処方されたものだけを使うようにする方が良いでしょう。

肉離れは、マッサージすれば早く治るのか?

肉離れは、筋肉が急激に収縮する際に、筋繊維や筋膜が“裂傷”を起こす、いわば“切り傷”や“擦り傷”と同様のケガといえます。

そのため、受傷直後にマッサージをすると、患部の出血や炎症を広げてしまい、症状をさらに悪化させることになります。痛みや腫れなどの症状が落ち着くまでは、マッサージは厳禁です。

ただし、回復期に入ってから、筋肉の柔軟性を取り戻すためのマッサージは再発防止の面でも役に立つといえます。

セフルで行う場合は、手の届く範囲で筋肉の繊維をやさしく流すように行いましょう。お風呂上がりや就寝前だと、いっそう高い効果が望めます。

なお、強い圧のマッサージは、いわゆる揉み返しと呼ばれる筋肉痛と同じ症状を誘発します。あくまで、やさしくゆっくり撫でるようなイメージで行いましょう。

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