太ももの前面を肉離れから守る、安心ストレッチ4選
雨の日が続いた後は、気温も下がり気味。ランニングの途中で、身体を温めようとダッシュをした瞬間に太ももの筋肉に異変が…。といった経験はありませんか。
気温の変化が著しい季節の変わり目は、肉離れになりやすい時期でもあります。とくに太ももは、身体の中でも肉離れが発生しやすい筋肉です。
久しぶりに身体を動かすという場合には、事前に入念なストレッチを心掛けましょう。
今回は、太ももの前面(大腿四頭筋)にクローズアップして、肉離れの予防に役立つ4つのストレッチをご紹介いたします。
太もも前面の肉離れの主な原因とその理由
太ももは、人の身体の中でも肉離れを発症しやすい箇所。とくに前面は、スポーツだけでなく、走ったり歩いたりするときはもちろん、立ち上がったり座ったりといった動作にも大きく影響する、とても大切な筋肉です。
太ももの前面にはどういう役割があり、どういう状況で肉離れが起こるのか…筋肉としての特徴を交えながら、原因を考えてみましょう。
太もも前面(大腿四頭筋)の特徴
太ももの前面は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の四つの筋肉で構成される複合筋で、「大腿四頭筋」と総称されます。複合筋としては人体で最も大きく、太もも裏の筋肉(ハムストリング)と協応して、膝の曲げ伸ばしや股関節の動きに作用します。
大腿四頭筋は、膝を伸ばす作用で強く働き、スポーツに置いては、ランニングやダッシュをする時に脚を前に出す、サッカーのシュート時に脚を強く蹴り出す、ジャンプ時に力いっぱい膝を伸ばすといった場面で、おおいに力を発揮します。
肉離れの主な原因
肉離れの主な原因には、「急激な運動」をはじめ「筋力の疲労・低下」「筋肉の柔軟性の低下」などがありますが、特に大腿四頭筋は、運動時以外でも常に動いていることの多い筋肉のため、疲労しやすいことも要因と言えるでしょう。また、ダッシュやジャンプ、シュートなど、瞬間的に力む場面での無理な動作変更などが肉離れのきっかけになっていることも考えられます。そうしたことから、大腿四頭筋の肉離れは、サッカー選手に多く見られるようです。
太もも前面の肉離れに悩まされている方は、入念なストレッチや筋トレはもちろんですが、筋肉の疲労回復のためのマッサージや生活習慣を見直すことが、再発防止に役立つかもしれません。
太もも前面の肉離れの予防に役立つ、4つの安心ストレッチ
疲労しやすい大腿四頭筋の柔軟性を高めるストレッチには、誰でもできる簡単なものがたくさんあります。職場や自宅でできる4つのストレッチをご紹介します。
1.立って行う大腿四頭筋のストレッチ
膝から下を後ろに曲げ、足首や足の甲を掴んで行う、ランナーがやっているのをよく見かける代表的なストレッチです。
①ストレッチしたい方の脚の膝を後ろに曲げ、足首や足の甲を手で掴みます。
②曲げた方の太もも前面を意識しながら、手の力で脚を引っ張ります。痛みを感じる手前でストップし、そのまま30秒キープします。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。
2.床に寝て行う大腿四頭筋のストレッチ
上記の立って行うストレッチを、床に仰向けに寝て行います。
①脚を伸ばして床に尻餅をつき、片脚だけ正座するような形でストレッチしたい方の脚の膝をたたみます。
②膝が床から離れないように意識しながら、上体を後ろに倒します。太ももの前面が伸びているのを感じたら、そのまま30秒キープします。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。
※太ももが痛む場合は、うつ伏せになって手で引っ張る方法もあります。
3.イスに座って行う大腿四頭筋のストレッチ
イスに座ってできる簡単なストレッチです。オフィスでのデスクワークの合間でも気軽に行ってください。
①脚を肩幅ほどに広げて、イスに浅めに腰掛けます。
②両手で太ももの下を支え、膝を動かさないよう注意しながら、片脚をゆっくり持ち上げます。
③つま先は上に向け、股関節からかかとまで一直線に伸ばしたら、そのまま30秒キープです。
④同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。
4.前後に脚を開いて行う大腿四頭筋のストレッチ
アキレス腱を伸ばす運動のように前後に脚を開いて行います。片脚は膝をついて行いますので、バランスが取りやすくなります。
①脚を前後に大きく広げ、後ろ脚は膝から脛、足の甲まで床に着けます。
②上半身の背筋を伸ばし、重心を下に下ろします。立てた膝の太ももが伸びていることを感じたら、そのまま30秒キープです。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。
太ももの前面をゆっくり鍛えるなら、階段上りとエアロバイクが効果的
大腿四頭筋は、人の身体の中でもとても重要度が高い筋肉です。また、トレーニングの成果が目に見える筋肉でもありますので、鍛え甲斐のある筋肉ともいえるでしょう。運動不足の方や、肉離れが治ってそろそろリハビリを始めたいという方は、階段を上がる運動やエアロバイクが負荷が少なく、かつ効率的に大腿四頭筋の筋力アップが図れます。
ただし、休む時間が少なく疲労が残りやすい筋肉でもあるので、無理はしないように。マイペースで、ゆっくりトレーニングしてください。