固定・圧迫に効果アリ!? 肉離れ治療にサポーターをおすすめする理由
スポーツや仕事の最中に、プチプチとゴム紐が切れたような音がして、鋭い激痛が起こったら、それはきっと「肉離れ」の症状です。肉離れを受傷して数日間は、患部を安静に保ち、腫れや炎症を防ぐために圧迫することが大切です。
その点で、サポーターは患部の固定・圧迫にぴったりのアイテム。
そこで今回は、肉離れ治療の補助として役立つサポーターの効果と、商品選びのポイントについてご紹介します。
スポーツ初心者でも簡単に装着できるサポーター
最近のランニングブームやボルダリングブームなど、これまであまり運動をしてこなかった人が、多様なスポーツに気軽に接するようになってきました。
ですが、そうしたスポーツの初心者ほど、肉離れなどのケガに関する知識が足りていないものです。
肉離れをはじめスポーツのケガの初期治療では、「Rest=安静」「Ice=冷却」「Compression=圧迫」「Elevation=挙上」の頭文字から名付けられた『RICE(ライス)処置』が奨められますが、圧迫する手段のひとつにサポーターがあります。
他にも弾性包帯やテーピングテープなどのアイテムはありますが、自分で巻くのが難しく、テーピングは筋肉の位置や動き方などの知識が必要なため、初心者が上手に処置するのは難しいでしょう。
しかし、サポーターなら誰でも簡単に装着できるのが大きなメリット。肉離れを起こしてしまったスポーツ初心者にとっては、治療に役立つ手軽なアイテムとして活躍してくれるはずです。
【サポーターを利用するメリット】
誰でも簡単に装着できる。
ケガの発生時の応急処置として患部を固定・圧迫できる。
圧迫の加減などをコントロールしやすい。
ケガの回復時には保温効果が期待できる。
肉離れの再発予防に役立つ。
運動時に精神面で安心感が持てる。
関連記事:肉離れ予防のテーピングについて、心得ておきたい6つのポイント
寝るときはどうする? 肉離れ治療でサポーターをはずすとき
肉離れは、初期の段階(急性期)においては、安静・圧迫と同時にアイシング(冷却)も大切です。
サポーターは、安静を保つため患部を動かさないよう固定し、内出血や炎症を防ぐため圧迫する効果があります。しかし、通気性の高いものでも冷却効果はありません。
また、圧迫のし過ぎは血行障害や皮膚のトラブルなどにつながる場合もあります。
肉離れの発症部位や症状の度合いにもよりますが、寝るときにはサポターをはずした方が良いでしょう。
治療の中期(亜急性期)以降では、患部を温めて、血流を良くし、やわらかい筋肉を生成する必要があります。この時期からは、不快に感じることなくぐっすり眠れるようであれば、サポーターを着けたまま寝てもかまいません。
治療の時期によって変えたい、サポーター選びのポイント
サポーターは、肉離れの治療に役立つアイテムですが、非常にたくさんの種類があり、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いと思われます。
肉離れは治療の時期に応じて、処置の仕方が変わりますので、必要に応じて商品を選びましょう。
急性期(受傷直後~数日間)
受傷直後は患部の保護と炎症の防ぐことが何より大切です。この時期は、患部を固定することを優先して、硬めの素材の医療用サポーターを使用することをおすすめします。病院や治療院でも取り扱われていますが、最近ではインターネットで購入することも可能です。できるだけ患部を動かすことなく装着できるように、マジックテープなどのアジャスターがついたものを選ぶと良いでしょう。
亜急性期以降(受傷後数日~)
この頃から治療にストレッチが加わり、温浴療法も奨められます。患部を少しずつ動かし、温めることで、筋肉の回復を目指していきます。そのため利用するサポーターも、適度に圧迫を加えながら動きを妨げない柔軟性の高いものがおすすめです。保温効果があるものなら、さらに筋肉の回復に役立つでしょう。
また、発症前と同様にまで回復した際には、運動用サポーターを利用すると再発の予防に役立ちます。最近は圧迫効果やテーピング効果を取り入れたスパッツやタイツなどもありますので、ぜひ試してみることをおすすめします。
安心し過ぎてもダメ。サポーター装着時の注意点
ここまで、肉離れ時にサポーターを装着するメリットを示してきましたが、本来、肉離れは特効薬もなく、筋肉が自然に回復するのを待つしかない完治の難しいケガです。
サポーターはその名の通り、治療の回復を補助してくれる道具に過ぎません。
サポーターを装着したからといって安心してしまい、早々に運動を再開してしまったり、ウォーミングアップを怠ってしまうと、すぐに再発してしまう恐れがあります。
肉離れの完治は、入念なストレッチやトレーニング、栄養バランスの取れた食事療法、身体を温める温浴療法、ストレスを解消する質の良い睡眠といった方法しかないのが実情です。
サポーターを過信せず、これまでの習慣を改善して、ベストな体調に近づけ、維持するよう心掛けましょう。