悪い姿勢を改善するストレッチとは?ストレッチ前に知っておきたい事まとめ
猫背や反り腰などが原因の「腰痛」や「肩こり」。年齢を重ねると節々が痛むといった体の不調の原因は「悪い姿勢」の可能性があります。
今回は悪い姿勢の改善に有効なストレッチについてまとめました。間違ったストレッチは怪我の元。まずは姿勢とストレッチについて知る事から始めましょう。
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悪い姿勢はストレッチが効果的?
「プロ直伝!猫背を治すストレッチ!」等という見出しを見たことがありませんか?
テレビや雑誌、インターネット上のサイト等で多く目にする機会が増えました。それほど現代人の「姿勢」が悪く、姿勢矯正方法のニーズが高まっている証拠でもあります。しかし、色々なメディアで紹介されているストレッチ方法は無数に存在し、どのストレッチが本当に有効的なのかを選ぶことが難しくなっています。一番有効なストレッチの考え方は次の2つです。
① 自分に合ったストレッチ方法を知る
② 継続できるストレッチ方法を選ぶ
この2つは当たり前のような事ですが、これを出来ていない人は結構多いのではないでしょうか?
まずは自分の悪い姿勢がどんな物なのかを知る必要があります。
自分の悪い姿勢を知る
悪い姿勢は大きく分けて4つに分類されます。
① 猫背
② 反り腰
③ フラットバック
④ スウェイバック
の4つです。
【出典:ストレッチポール公式ブログ:https://stretchpole-blog.com/posture-improve-883 】
それぞれに共通しているのは、「背骨の状態」です。一番左の「正常」な状態の背骨は綺麗なS字になっています。しかし、それ以外の4つの姿勢の背骨は、湾曲したり、真っ直ぐになっていたりと様々な形状をしているのがわかります。
背骨は姿勢の良し悪しを決める最も重要な骨です。自分の背骨がどんな状態になっているか、上の図を見てイメージしてください。そこから姿勢矯正プログラムが始まります。
自分に合ったストレッチを行う
ここで重要なポイントは全部で2つです。
一つ目が、自分の姿勢矯正に必要なストレッチメニューを行う事。猫背なのに全然関係のない太もも前のストレッチを行う等、間違った箇所のストレッチは姿勢矯正には繋がりませんので注意が必要です。
2つ目は、続けやすい、継続して行う事が出来るものを選ぶ事です。いくらストレッチを行っても、続けなければまったく意味がありません。筋肉のコリや関節の痛みは日頃の生活習慣による場合がほとんどです。その為、ストレッチの時間だけ集中してストレッチを行うだけでなく、自分の仕事の合間にも出来るような簡単なストレッチを組み込みながら、凝り固まった筋肉や関節をほぐす事が必要です。
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悪い姿勢別ストレッチポイント
次に、悪い姿勢別のストレッチ箇所を挙げていきます。先ほどの4つの悪い姿勢を治すためのストレッチですので、自分の姿勢に合わせてお読みください。
猫背
悪い姿勢の代表の言えるのが、「猫背」です。デスクワークや、スマホ操作などで首が前方に出て、背中が丸くなっている姿勢です。
首が前方に出るという事は、顔も前に出ている事になりますね。この場合、横から見ると、耳が肩よりも前に位置しています。耳が肩よりも前方に出てしまうと、肩も耳の後を追うようにして内側に丸くなります。自分が猫背かどうかは壁に沿うようにして立ってみると簡単に判別できます。
家の部屋の壁でいいので、踵を壁の下部分にくっつけて立ってみましょう。その際に背中は壁にくっついているのに、頭(後頭部)が壁から離れるようであれば、猫背になっている可能性が高いです。
反り腰
反り腰は女性に多い悪い姿勢です。腰の骨を極端に反らせて、骨で立っているような状態になります。
お腹がぽっこりと出てしまう人はこの症状の可能性が高いです。女性に多いというのは、女性はハイヒールを使うからです。ハイヒールの力の重心は「つま先」です。つま先で全身の体重を支えている為、体全体の重心が前のめりになってしまいます。
前のめりになると体が転倒しないように、おしりが上向きになり、お腹と胸を突き出した姿勢になります。この状態が長く続くと、常に腰が反った状態になり、腰痛や骨盤の歪みを引き起こしやすくなります。
骨盤が歪むと女性の場合は、生理痛や排卵痛等の女性特有の痛みがひどくなり、期間中は立っていられないほどの苦痛に悩まされます。
これも先ほどと同じように壁を使って判別できます。
壁に踵を付けて立ち、腰の反っている部分に手の平を差し込んでみましょう。この時、ちょうど手の平1枚分の隙間であれば問題ありませんが、手の平が2枚以上入るようであれば、反り腰になっている可能性が高くなります。
フラットバック
背骨が真っ直ぐになっている状態です。真っ直ぐなので、悪い姿勢というイメージが湧きませんが、この姿勢は男性に多く、腰痛持ちの人がこの姿勢を疑っても良いでしょう。
あまり知られていない悪い姿勢ですので詳しく解説します。
フラットバックの特徴は「背骨が真っ直ぐで腰が丸くなっている」事です。
本来の背骨はS字に湾曲している事で、クッション効果が発揮され、足からの衝撃(歩いたり、走ったりする時に起こる地面との反発作用)が上半身に及ばないようになっています。しかし、背骨が真っ直ぐだと、その衝撃緩和材としての機能が失われてしまい、骨盤にかかる衝撃の度合いが大きくなります。
硬いバネと柔らかいバネをイメージするとわかりやすいと思います。
柔らかいバネは形を自在に変え、バネの本体自体に衝撃が加わらないようになっています。
しかし、硬いバネは衝撃の緩和自体は機能として行ってくれますが、強い力に対して、自分の体そのもので反発しようとする為、バネ自体が壊れてしまう事があります。これと同じ原理がフラットバックの姿勢をしている人が腰痛になる原因です。
またフラットバックは猫背と同じ「骨盤後傾」の状態になっている事もあります。猫背時の骨盤後傾は極端な角度で骨盤が傾き、その結果、骨盤から伸びている背骨が曲がってしまう状態です。フラットバックは猫背程の骨盤後傾の角度ではありませんが、猫背になるのを防ぐために腰の筋肉に大きな負担が掛かっています。将来的には猫背になる可能性が高く、「猫背予備軍」ともいえる悪い姿勢です。
また、骨盤後傾が起こる原因の一つとして、「ハムストリングスの硬さ」が挙げられます。ハムストリングとは太ももの裏側の筋肉の名前で、柔軟性があまりない筋肉です。体力測定の際に「前屈」があまり得意でない人は、このハムストリングスの筋肉が凝り固まっていると言っても過言ではありません。ハムストリングスが硬いと、腰だけで上半身の動作を支えようとするため、負担が増し、結果的に腰痛を引き起こしやすくなるという仕組みです。猫背ではないのに、腰痛がひどいという方は、この「フラットバック」を疑ってみましょう。
これも壁立ちで判別できます。壁に踵を付けて立った時に腰の部分に手の平が全く入らないという人は、フラットバックの可能性が高いです。
スウェイバック
胸が後ろになっている状態の悪い姿勢です。昔は「疲労姿勢」とも呼ばれていた事もありました。特に中高年に多くみられる姿勢で、見た目からは「疲労している状態」、「やる気を感じない」等の印象を与えてしまう事があります。
スウェイとはボクシングの防御テクニックの一つで、相手のパンチをかわす際にとる姿勢です。ボクサーは試合中のやり取りの中でこの動作をしますが、常日頃からこの姿勢では体に良い影響を与える事が出来ません。
スウェイバック体型の人は身長が低い傾向にあります。
またこの体型を維持する為に、常に膝が曲がった状態になります。膝が曲がった状態のままだと、ハムストリングスやふくらはぎの筋肉が常に緊張状態になってしまいます。
すると背中から腰にかけての痛みが多くなります。年齢を重ねてから足が思うように動かなくなる人はこのスウェイバックが原因の一つになります。
スウェイバックは壁判別法では次のような状態になります。
壁にかかとをつけて立ち、背中が壁に当たっていてもお尻が壁に当たらない場合、スウェイバックを起こしている可能性が高くなります。
ストレッチと合わせてしたい2つの事
ストレッチは姿勢改善の為に邪魔な、凝り固まった筋肉をほぐすのが目的です。
ほぐすだけでは姿勢の改善にはなりません。ストレッチを行い且つ以下の2点を行う事で姿勢の改善が図れます。
筋肉トレーニング
どの悪い姿勢からでも正しい姿勢に矯正するのは酷な作業です。なぜ酷なのか?それは正しい姿勢で使うべき筋肉が衰えているからです。
ストレッチを行い、筋肉をほぐしたら、正しい姿勢に足りない筋肉を鍛える必要があります。筋肉を鍛えることで、正しい姿勢を維持する為の筋力を身に着け、悪い姿勢に戻らないようします。やりすぎは違う悪い姿勢を引き起こす事もありますが、まずは正しい姿勢をとり続けれるようにする為の筋力づくりから始めてはいかがでしょうか?
生活習慣の改善
筋トレやストレッチももちろん大事ですが、一番重要なのは、日頃の生活習慣のクセを治す事です。
仕事や私生活の中で、ついついとってしまう悪い姿勢。それはもはやクセとなって私達の体に染みついています。そのクセを取り除くために、日頃の生活習慣を見直し、正しい姿勢で生活することを心がけましょう。例えば、普段使っている椅子の高さや座る位置を見直したり、テレビの角度を調節したりといった細かい所まで突き詰めて考えてみましょう。
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まとめ
姿勢とストレッチに関する見え方が少し変化しましたか?ストレッチはあくまでも、凝り固まった筋肉をほぐす為の手法でしかありません。
一番重要なのはやはり「生活習慣」の見直しです。これが行われないと、悪い姿勢で当たり前だった生活動線に逆戻りし、せっかくストレッチや筋トレで改善された悪い姿勢が戻ってしまいます。
そうならない為にも、今一度ストレッチや姿勢に関する考え方を変える必要がありますね。
この記事が皆さんの姿勢改善の手助けになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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