姿勢改善の効果とは?腰痛や肥満、心の病気も猫背が原因だった!

姿勢を改善させると私達の体にどんな効果があるのでしょうか?

悪い姿勢は心身に悪い影響を与えるという事は有名な話です。しかしどんな悪い影響があるのかは詳しく述べられていません。

当記事では姿勢を改善させないと私達の体に起こってしまう病気をまとめました。

正しい姿勢とは?

正しい姿勢の定義。それは「横から全身を見て、首から腰に掛けてゆるやかなS字を描く背骨の形と、正面から全身を見て、左右の肩の高さが水平になっている事」です。

悪い姿勢の代表格である「猫背」や「反り腰」は、この「ゆるやかなS字の背骨」が歪んでいたり、変形したりしている状態を指します。しかし、横から見て自分の背骨がゆるやかなS字になっているというのはどうやって判断すればいいのでしょうか?

ここでは簡単なセルフ姿勢チェックを紹介します。

 

壁を使ってセルフ姿勢チェック!

自宅にある壁を使って簡単にセルフチェックが行えます。

準備するもの:大きな姿見(鏡)

   背中を壁にくっつけた状態で立ちます。この時、体に力を入れずに自然な体勢をとるようにしてください。力が入ると、自分のいつもの姿勢ではなくなる為、どこが悪いのかが改善しづらくなります。

   壁に背中をくっつけたら、「後頭部」、「肩甲骨」、「臀部(お尻)」、「ふくらはぎ」、「踵」の5か所が壁についているかを確認します。

   その状態で壁と腰の隙間に、自分の手の平が一枚分入るかを確認します。

   「耳」、「肩」、「中指」、「くるぶし」が真っ直ぐ一直線になっているかを確認します。

一口で言うと「背骨がきれいなS字のカーブを描いているかどうか」です。

②~④のすべてをクリアしている人は「正しい姿勢」がとれています。

しかし、どれか一つでもクリアできていない場合、自分の姿勢は正しい状態ではない、背骨がS字カーブを描いていないという事になり、姿勢の改善が必要になります。

 

正しい椅子の座り方?

正しい椅子の座り方は「座る部分の一番奥までお尻を引き、顎を引いて背筋を伸ばしている」状態が正しい椅子の座り方です。骨盤と背骨が直角になる状態がベストです。

これが出来ていないと、椅子に座っていながら腰に負担をかけてしまい、立ち上がった時にギックリ腰(急性腰痛症)になる可能性が高まります。ギックリ腰の原因のひとつに「腰の血流の悪化」があります。これは、悪い姿勢で椅子に長時間座ったままの状態が慢性化している人に起こりうる症状です。ギックリ腰は色々な要因から引き起こされます。

普段仕事等で長時間椅子に座っている人は知らず知らずのうちに悪い姿勢のままで椅子に座り、自分の腰の血流が悪くなっていることに気づいていない場合があります。ふと立ち上がった時にギックリ腰が発症する事も…。

そうならない為にも正しい座り方を意識し、1時間に一回は椅子から立ち上がり、屈伸運動等で、腰から下の血流を促進させるようにしましょう。

 

みんな大好き座椅子は危険?

座椅子は物によっては、姿勢に負担をかけ、腰痛になる可能性を高めてしまいます。

仕事先ではオフィスチェアーを使い、家では座椅子を使ってテレビを見たり、食事をしたりする人もいると思います。座椅子は「床に座る」という日本特有の文化から生まれた椅子と言われています。自宅で座椅子を使って生活している場合は、仕事先でオフィスチェアーを使用している何倍もの負担が、貴方の腰に掛かっていることをご存知ですか?

座椅子とオフィスチェアーの最大の違いは「脚の高さ」です。

オフィスチェアーの場合、脚部分は腰よりも低い位置に置かれる一方、座椅子は脚と腰の位置が同じ高さになりますよね?この脚と腰が同じ位置という状態が、腰痛にとても悪影響を及ぼしているのです。

正しい姿勢は「背骨が綺麗なS字カーブを描いている状態」です。座椅子に座り、腰の位置が脚の位置と同じ、もしくは低い場合、腰は自然と丸くなり、腰への負担がより大きくなってしまいます。床に座る場合は、背骨をS字カーブに保持することがとても難しいです。しかし、ちょっとした工夫で座椅子でも腰に負担をかけない座り方をすることが出来ます。

お尻の部分にクッションを置き、腰の高さを調節しましょう。この時、クッションの硬さはお尻が沈みこまないように固めのクッションを使いましょう。これをするだけで、床に座っても腰に負担が掛からない状態にすることが出来ます。

② 背もたれを使います。背もたれのある座椅子は角度を調節できるリクライニング機能がついている物がほとんどです。座椅子の背もたれの角度は、骨盤が立ち、背骨がS字カーブになる角度にしましょう。できれば直角が望ましいです。

時間が経つと徐々にふんぞり返るような体勢になる場合は注意が必要です。この体勢は腰と骨盤に負担をかける姿勢です。ちょっとした休憩にリクライニングを倒す分には構いませんが、ふんぞり返った体勢のまま長時間その状態になるのはオススメしません。

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猫背の怖さとは?

猫背が招く病気達

ここでは悪い姿勢の代表格「猫背」について述べていきます。猫背は様々な病気の温床になりうる「悪い姿勢」です。それではどんな病気の温床になっているのかを解説していきます。

 

肩こり、腰痛

外科的症状である「肩こり」、「腰痛」は猫背の影響が大きく関与しています。

猫背は頭が前に突き出される状態になります。この時、頭を支えている筋肉は背中や肩の周辺にある「僧帽筋」です。ちなみに頭の重さは体重80キロの人の場合、およそ8kgと全体重の10%を占めています。猫背の人の僧帽筋には常に自分の体重の10%の負荷が掛かっているという事です。筋肉が固くなれば、それだけ肩の痛みをともなう「肩こり」が発症しやすくなります。

 

消化系疾患

消化系疾患の最悪なケースは「大腸がん」などの腸にまつわる病気です。猫背の人は上半身が前のめりになり、お腹の部分は後方にへこんだ状態になります。このへこんだ状態中の腸は形が歪み、本来の太さを維持することが出来ません。ねじれ等も発生しやすくなり、便通が悪くなります。便通が悪くなると排出すべき便が腸内に残り、やがて慢性便秘を経て、様々な病気に罹りやすくなります。また、姿勢の悪さで引き起こされる「骨盤の歪み」も健康な腸の状態を妨げる要因の一つでもあります。

「骨盤」は腸を外部からのショックから守る役割を持っています。骨盤の内部に小腸、大腸、十二指腸などが納められています。この骨盤が歪み、形が変わることで、内部に収まっている腸の形を変えることにもなります。それが前述した、腸の変形やねじれなどに繋がり、便通の悪化を引き起こす事にもなります。

 

自律神経失調症、うつ病

心の病気に関しても「猫背」が関わっています。まず猫背の場合、肩が前方に来て、胸が閉じた状態になります。胸が閉じた状態になると、胸の中の「肺」の活動を抑制することに繋がります。肺は呼吸をする為の最重要器官ですので、呼吸が浅くなり、本来人間が必要な呼吸量を確保する事が難しくなります。私達の脳はこの呼吸から得られる「酸素」によって活動しています。酸素の量が減ることで、脳内物質である「ドーパミン」、「セロトニン」、「ノルアドレナリン」の分泌が抑えられてしまい、ネガティブ思考や、無感動といったうつ病などの心の病気の初期症状になってしまいます。

また、背骨の中には自律神経という私達の心と体をつなぐ太い神経の道路があります。背中が丸くなることで、心と体のバランスが崩れ、以下のような症状が現れます。

【自律神経失調症の症状】

身体への症状:だるさ、めまい、偏頭痛、動悸、火照り、不眠、慢性疲労、微熱、耳鳴り、手足のしびれ、咽頭系疾患、下痢、便秘、頻尿、残尿感

精神への症状:イライラしやすい、不安感、落ち込みやすい、憂うつ、焦燥感、疎外感、やる気の消失、感情の起伏が激しくなる

上記以外の症状もたくさんあります。病院で診察を受けると、自律神経失調症の症状に対する薬や栄養剤などを処方してもらえますが、猫背が治らないままだと、再発したり、薬の効果が十分に得られなかったりします。

まずは自分の姿勢を直すところから始めてはいかがでしょうか?

 

肥満、むくみ

肥満やむくみといった症状も「猫背」が原因の一つです。正しい姿勢は「基礎新陳代謝」を高めることにも繋がります。基礎新陳代謝が低いと、脂肪が燃焼しきれないまま体の中に貯まってしまい、「肥満」になりやすくなってしまいます。むくみは体の中の血流や、リンパ液の循環不良によっておこる症状です。ひどい時には手や足だけでなく、顔までパンパンに腫れ上がる人もいます。また、ダイエット中の人も猫背が原因で、全然痩せる事が出来ないという状態にもなります。

これは先ほど述べた「基礎新陳代謝の低下」が原因です。ダイエットをする際には「運動」や「食事制限」等、様々な方法があります。その方法は「基礎新陳代謝」が基本になったダイエット法ばかり。体についた余分な脂肪は血流やリンパ液の循環によって、汗や尿、便などになり、体外に排出されます。しかしいくら食事制限をして摂取カロリーを制限しても、新陳代謝の低下により体外に脂肪が排出されなければ全く意味がありません。

姿勢が悪いとそれらの活動が抑制されてしまい、ダイエット効果が十分に得られないという事になります。

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まとめ

猫背がもたらす病気の数々。甘くみていませんでしたか?

座椅子の所でも触れましたが、日本人には「床に座る」という文化があり、猫背になりやすい生活環境とも言えます。自分の姿勢が正しい姿勢なのか?健康的な姿勢なのか?

まずは、自分の姿勢を知り、それに対して矯正すべき点が無いかをチェックする必要があります。重篤な病気に罹る前に、自分の生活習慣の中での「姿勢」を「改善」していきましょう。

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