姿勢をよくする筋トレとは?体幹が重要!

姿勢が悪いと、例え肥満体型ではなくてもお腹がぽっこりに見えたり、みすぼらしい印象を与えたりします。姿勢を矯正する為には「体幹(インナーマッスル)」を鍛えることが重要なポイントの一つと言われています。当記事では「姿勢をよくする筋トレ」についてまとめました。

姿勢と筋肉の関係

「正しい姿勢を保つためには筋肉が必要」

これまで、様々なメディアで紹介されてきました。しかしそれは本当に正しい事なのでしょうか?

悪い姿勢で筋トレをしても大丈夫?

悪い姿勢で筋トレをしても、姿勢を矯正することは出来ません。むしろ悪い姿勢で筋トレを行うことは体に過剰な負担をかけることにも繋がり、とてもおすすめできません。

この項では悪い姿勢の代表でもある「猫背」を例に挙げ、姿勢と筋トレの関連性を考察します。

猫背の人は筋トレが原因で大きなケガに繋がることも・・・

インターネットやテレビ、雑誌等で紹介されている「猫背を治す筋トレ」。特に腹筋や背筋の強化をメインに紹介されているものが多いです。これにも一理あり、腹筋と背筋を強化することで、それまであまり使えずにいた筋肉が使えるようになるかもしれません。しかし、猫背を直さないままで筋肉トレーニングを行うことは、大きなケガを負うことになる可能性を高めてしまう事もあります。

けがの原因になるのは頭の重量です。頭の重さは成人でおよそ6Kgもあります。猫背の人はこの重さを首だけで支えている状態になります。猫背は頭が前に突き出た体勢をとり続けています。これでは背中に大きな負担をかかっており、その状態で筋力トレーニングを行えば体に負担をかけるのはもちろん、大きなケガにもつながりかねません。

悪い姿勢を治すための筋肉トレーニング重要なのは正しい姿勢で筋力をつけることです。正しい姿勢で筋肉をつけるということは筋力トレーニングのフォームを意識して筋トレを行うということです。

正しい姿勢で筋力トレーニングを行えばバランスの良い筋肉がつき正しい姿勢になっても筋肉が疲労せず、正しい姿勢を維持できるようになります。

頭の重さは、想像以上に重たいため、支え方次第で、肩こりになったり、腰が痛くなったりと、様々な症状が出てきます。正しい位置に頭を置けるようになることが、姿勢矯正の一番のメリットです。ただし頭が前にいるからといって、後ろにしても、逆効果ですので、正しい筋トレをすることで自然と姿勢がよくなるようにしていきましょう。

偏った筋力トレーニングは猫背の原因になる?

正しい姿勢をもともとしている人が筋肉トレーニングをすることによって猫背になるという場合もあります。その理由は胸の筋肉や腹筋が偏って鍛えられている為です。

近年、ダイエットを目的としたトレーニングジムや、メタボ防止のための筋肉トレーニングが流行しています。腹筋を割りたい。スリムな体形を維持して筋肉をつけたい。そのような見た目の向上を求める人が増えています。

しかし偏った筋肉トレーニングは正しい姿勢を取りづらくし、猫背や反り腰等の悪い姿勢を引き起こします。

ではなぜ筋肉トレーニングが悪い姿勢を引き起こすのでしょうか?

偏った筋肉トレーニングにより体のバランスが崩れるという事は、体の筋肉の一部に過剰な負荷をかけるという事と同じ意味を持ちます。私達の体は、筋肉に過剰な負荷がかかると、負荷のかかった部分を庇おうとして自然に猫背や反り腰等の悪い姿勢を取ろうとします。私たちの脳は痛みを感じると体の中に新しい歪みをつくって痛みを感じさせないようにする働きを持っています。その為、自然に悪い姿勢になってしまうという事です。

筋肉トレーニングをすることは悪いことではありませんがバランスの良いトレーニングをすることを意識することが重要です。

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筋トレだけでは悪い姿勢は治らないという事?

いろいろなメディアの中で「姿勢矯正には筋トレが有効」と謳われていますが、これは間違った認識です。

実際にスポーツ科学の研究論文で「姿勢を改善するために筋肉トレーニングをすることは筋肉トレーニングをしないことに比べて優位性がない」という結果が発表されています。姿勢の矯正と筋肉トレーニングは直接的な関係はないということです。

ではなぜ姿勢矯正に筋肉トレーニングが効果的と言われているのでしょうか?

姿勢矯正に必要なのは「骨盤」と「体幹(インナーマッスル)」

正しい姿勢を維持するために必要な筋肉は体幹(インナーマッスル)と呼ばれている筋肉です。体幹の働きは呼吸や姿勢を維持することに重要な役割を持っています。

この「体幹」と呼ばれている筋肉は体の奥にある4つの筋肉群(腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋群)を指します。

腹横筋・・・お腹の深層部にある筋肉

横隔膜・・・肺の下にある呼吸をする為の筋肉

多裂筋・・・背中を支えている後背部にある深層筋肉

骨盤底筋群・・・骨盤の底にある骨盤を安定させる為の筋肉

これらの筋肉は体の深層部にある為、表面から見る事が出来ません。その為「体幹を鍛える」と一口に言っても、強化されているかどうかが見えないのが難点です。しかしこの四つの筋肉は人体にとって大きな役割を持っています。体幹は体脂肪を燃やす役割を持っており、ウエストの引き締め効果や、疲労の軽減、腰痛の痛みの緩和等、強化する事でたくさんのメリットを持つ筋肉です。

猫背矯正の3STEP

猫背改善の為には順序を追って筋肉の強化を行う必要があります。

①    体の歪みや筋肉の緊張をストレッチ等でほぐす

②    正しい姿勢を意識する

③    フォームを意識した状態で筋肉トレーニングを行い、姿勢を保持する為の筋力を強化する

ここで重要なのは「姿勢を保持する為の筋力」=「体幹」という所と「正しい姿勢」という点です。

スポーツの前には準備運動を行います。これは、怪我の防止や筋肉痛の元でもある「乳酸」の増加を後らさる為に必要なストレッチを行います。屈伸やアキレス健など、部活動で行っていたような簡単な準備運動を「じっくり」と行います。

それから「体幹」を強化する為の筋肉トレーニングを始めましょう。

姿勢を直す筋肉トレーニング5選

体幹(インナーマッスル)強化①:プランク

体幹トレーニングで一番知られているトレーニング方法です。

初心者でも簡単に行えるので、まずはこの「プランク」の正しい姿勢と、強化する体幹の箇所を把握しましょう。プランクで鍛える事が出来る体幹の箇所は「腹横筋」と「骨盤低筋群」の2か所です。

このプランクを行ってお腹の奥底と、お尻の上の方にある筋肉を強化します。正しい姿勢は画像の人形のポーズが理想的です。

①     前腕を床につけます。

②     体を下に向けた状態で足を後方に伸ばし、つま先、前腕の2本で体を支えます。

③     ②までの姿勢の状態で片方の腕を前に伸ばします。

※ポイントはお腹とお尻の筋肉に意識を向けて、真っ直ぐな体勢を保つことです。腰が反った状態になったり、お尻だけ上に突き出たりしないようにします。

慣れるまでは大きな鏡で自分の姿勢を確認しながら行うとよいでしょう。

自分の姿勢を客観的に理解することは、なかなか難しいです。真っすぐな体勢" を最も理解しやすい方法は、真っすぐな壁に、かかと、お尻、背中、頭をぴったり付けた姿勢で、腰の隙間をできる限りなくそうとした姿勢です。隙間をすべてなくすことはできませんが、なくそうとする意識が非常に大切ですので、トライしてみてください。

体幹(インナーマッスル)強化②:バランスボール

バランスボールは自分の体格にあったものを選びましょう。

身長150cm未満…45cm

身長150cm~170cm…55cm

身長165cm~185cm…65cm

身長185cm以上…75cm

体に合わないサイズの場合、腰に負担をかけてしまい、腰痛の原因になることもあります。バランスボールを使った体幹トレーニングは色々な種類があります。大きすぎたり、小さすぎたりするバランスボールはトレーニングの効果を最大限に発揮できないという弊害も生まれます。実際にお店で試してから購入するのもオススメです。なぜなら、バランスボール発祥の地は日本ではなく、「イタリア」だからです。

ヨーロッパ人の体形に合わせて大きさの基準が定められており、日本人の「胴長短足体型」では、同じサイズでもワンサイズ下げる必要があります。店頭で購入する場合のポイントは以下です。

①    正しい姿勢でバランスボールの上に座り、膝の角度が90度になること。

②    正しい姿勢でバランスボールの上に座り、お尻と腰の角度が90度になること。

小さすぎると膝の角度は広がりますし、大きすぎると角度が狭くなりますよね。

これでは正しい姿勢で体幹を鍛える事が出来ません。膝と腰の角度を意識して購入しましょう。

バランスボールの歴史はまだ日が浅く、日本で知られ始めたのも2000年代に入ってからです。

イタリア、セリエAで活躍していた、元サッカー日本代表の中田英寿氏がトレーニングで使用していたのがきっかけで日本に広まりました。日本には1980年代から存在していましたが、あまり認知度が高くなく、そして元々医療器具であったことから、ほとんどの日本人には知られていませんでした。

イタリアで開発され、スイスの医療機関でリハビリ用の器具として使われた「バランスボール」。

このバランスボールの体幹トレーニング方法はいたって簡単です。初心者でも簡単にできるバランスボールを使った体幹トレーニングは以下です。

①    腕立て伏せ…バランスボールに足をかけ、そのまま床に伏せて腕立てを行います。この時、体を支える為に骨盤底筋群と腹横筋が刺激されます。

②    腹筋…バランスボールに座り、そのままの状態で腹筋を行います。バランスボールから落ちないように支える為、横隔膜と多裂筋が刺激されます。

筋トレと言えばこの二つですね。この筋トレにバランスボールの要素を加えるだけです。簡単なように思えますが、これが結構効果的です。最初は10回×3セット(腕立て、腹筋共に)を毎日行いましょう。慣れてきたら、回数とセット数を増やしてみましょう。このトレーニングは腰のくびれにも効果的ですので、女性にもおすすめの体幹トレーニング法です。

姿勢をよくするために行う筋トレは、みぞおちの向きが重要です。下向きか上向きかを考え、下向きなら下に引っ張られないように、上向きなら自ら引っ張るように、意識すればどんな筋トレにも応用できます。

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まとめ 

姿勢をよくする為の「体幹」の重要性はご理解頂けましたか?正しい姿勢を長く保持することで、悪い姿勢を内側から治していくという事が、体幹トレーニングと姿勢矯正の関係性です。

正しい姿勢をとり続けるのが辛いという方は、まず、この体幹トレーニングを行い、姿勢保持に必要な筋肉を鍛えていきましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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