肉離れの不安を遠ざける、ふくらはぎ安心ストレッチ5選

あたたかな空気が心地よい春。寒い冬の間にサボっていたランニングを再開しようか…などと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

ですが、冷たい空気の中で硬直してしまった筋肉をいきなり動かすのは非常に危険。急激に筋肉が収縮すると、「ブチッ」という音とともに脚に激痛が走るというようなことも多々あります。これは、典型的な肉離れの発症の瞬間。その後は、歩くこともままならなくなり、途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。

こうした肉離れの不安を解消できるように、久しぶりに身体を動かすという場合には、事前に入念なストレッチを心掛けましょう。

今回は、ふくらはぎにクローズアップして、肉離れの不安を遠ざける5つのストレッチをご紹介いたします。

ふくらはぎの肉離れの主な原因とその理由

肉離れは、太ももとふくらはぎでよく発症するケガですが、発症しやすさは太ももの裏側(ハムストリング)、太ももの前面(大腿四頭筋)、ふくらはぎ(腓腹筋)の順という説もあります。

では、なぜふくらはぎに肉離れが起こったのか、理由が気になりますね。

そこで、ふくらはぎの筋肉としての特徴に触れながら、原因を考えてみましょう。

■ ふくらはぎ(腓腹筋)の特徴

ふくらはぎは表層の腓腹筋と深層のヒラメ筋で構成され、特に腓腹筋は、太ももの骨とかかとにつながり、膝と足首の二つの関節の動きに大きく関係する、スポーツマンにとってとても大切な筋肉のひとつです。

腓腹筋は、足にかかる全体重を動かす力があり、足底が着地する度に大きな負荷がかかります。つまり、ランニング時の姿勢や、アスファルトか芝生か、平坦な道か坂道か、といった地形にも影響を受けやすい筋肉だといえるでしょう。

■ 肉離れの主な原因

肉離れにの主な原因には、「急激な運動」をはじめ「筋力の疲労・低下」「筋肉の柔軟性の低下」などがありますが、特に腓腹筋に発症する肉離れの場合には、強力な筋肉のため硬直しやすいにも関わらず、位置的に冷えやすく、走行時の衝撃に直結していることなどから、「急激なダッシュ」や「悪いランニングフォーム」、「気候(気温や湿度の変化など)」といったものも考えられます。

ふくらはぎの肉離れに悩まされている方は、入念なストレッチや筋トレはもちろんですが、走行時のフォームやシューズ、練習場所の見直しも、再発防止に役立つかもしれません。

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ふくらはぎの肉離れの予防に役立つ、5つの安心ストレッチ

硬直しやすいふくらはぎの柔軟性を高めるには、思い立った時にすぐできるストレッチが効果的。職場や自宅で、その場でできる5つのストレッチをご紹介します。

1.立って行う腓腹筋のストレッチ

いわゆるアキレス腱を伸ばす運動を身体を揺すらず、筋肉をゆっくり伸ばすように行うストレッチです。

①ストレッチする足を後方に伸ばし、かかとを上げないようにしながら、背骨をまっすぐ伸ばしたまま前足の膝を曲げていきます。
②後ろ足のふくらはぎを意識しながら、体重を前足にかけていき、痛みを感じる手前でストップし、そのまま30秒キープします。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

2.座って行う腓腹筋のストレッチ

オフィスの椅子などに座ったままできる簡単なストレッチです。

膝を伸ばして行うことで腓腹筋の伸張に効果を発揮します。

①椅子に浅く座り、ストレッチをする足を前に伸ばします。
②背筋を伸ばしたまま、手でつま先を掴むように身体全体を倒していき、ももの裏から膝裏、ふくらはぎまで伸びているのを感じたら、そのまま30秒キープします。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。
※足先まで手が届かなくても無理のない範囲で行ってください。

3.段差や壁を使った腓腹筋のストレッチ

5~10cm程度の段差があれば段の上につま先をかけて行うストレッチです。段差がない場合は、つま先を壁にくっつけて行います。

①かかとを床に着けたまま、つま先を上にして、そのまま身体を前に倒していきます。
②つま先を上げた足のふくらはぎが伸びているのを感じたら、そのまま30秒キープです。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

4.床の上で行う腓腹筋のストレッチ

上記2.の椅子に座って行うストレッチを、床の上で行うものです。

①ストレッチする足を立てて片膝立ちし、床に膝をついている後ろ足で上半身を支えます。
②ストレッチする足のつま先を上げて、上半身を前方へ倒し前傾姿勢を取ります。このとき、床に手をついてバランスを取って大丈夫です。ふくらはぎに負荷を感じたら、そのまま30秒キープです。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

5.床の上で行うヒラメ筋のストレッチ

上記4.のストレッチを、膝を曲げて行えば、ヒラメ筋のストレッチになります。ふくらはぎのストレッチは、総じて、関節を曲げて行うことで、ヒラメ筋のストレッチになります。

①ストレッチする足を立てて片膝立ちし、床に膝をついている後ろ足で上半身を支えます。
②立てている膝の太ももに胸を当て、抱きかかえるようにして前方に体重をかけます。かかとが床から離れないようにしながら、30秒キープします。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

“第二の心臓”と言われるふくらはぎこそ、大切に

ふくらはぎは、足先に流れてきた血液を、心臓に送り戻すポンプのような役割を果たしています。そのため、筋力が衰えたり、硬直していたりすると血流が逆流したり、水分や老廃物も蓄積されてしまいます。

こうした状態が続くと、肉離れといったケガだけでなく、“下肢静脈瘤”のような病気も併発し、さらに治療が必要となります。

日頃のストレッチはもちろんですが、冷え症対策や、食生活にも気をつけていくことで、肉離れの予防につながります。

健康的な暮らしを続けていくためにも、ふくらはぎのケアにはくれぐれもご注意ください。

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