「焦らない!」が大切!肉離れ完治を目指して生活改善
運動中に突然痛みが起こり、そのまま病院に直行、医師から「肉離れ」と診断された…という方も、きっと多いことでしょう。
筋肉や筋膜が裂傷を起こすことで発生する「肉離れ」は、軽度のものでも完治するまでに1ヶ月かかるといわれる、とても治りにくく、再発もしやすい難しいケガです。
肉離れを経験した方の中には、痛みが引いたからといってすぐに練習やトレーニングを再開してしまい、また再発してしまったという人も多いようです。
肉離れを完治させるには、焦りは禁物。ですが、ちょっとした心がけで回復を早めることは可能です。一日でも早く肉離れを完治させるために、これまでの生活習慣を改善しませんか。
肉離れの早期完治は、患部を動かさないことが前堤
医師や整体師などの専門家から「肉離れ」と診断された方は、ほとんどが「安静にしてください」と言われていることでしょう。
肉離れは、筋繊維や筋膜が皮膚の内側で損傷している状態のため、患部を動かすとさらに傷が広がります。発症直後から2~3日間は、サポーターやテーピングで患部を圧迫・固定しながら、アイシングを繰り返し、安静にするように心掛けましょう。
その後、多少痛みが引いたとしても、患部はまだ完治していません。試しにゆっくりとストレッチをしてみると、患部に痛みを感じるはずです。
この間にできることは、痛みを感じない程度にゆっくりとストレッチをすることです。
できるだけ、医師や整体師などの指示に従い、ケガの様子をみながらじっくりリハビリに取り組んでください。
肉離れした患部の筋肉を取り戻す、3つの食事法
肉離れで身体を思うように動かせなくても、必ず食事はとるはずです。このとき、筋肉の回復を早める栄養を多く取ったり、さらに効率よく栄養を消化吸収する方法を取り入れることで、肉離れの早期完治に期待できるようになります。
プロスポーツのトップアスリートや、ボディビルダーなどが、食事を大切にしているのを見ても、食事が筋肉づくりに大いに影響していることもわかるでしょう。
ここでは、肉離れで損傷した筋肉を回復するための食事法をご紹介します。
高タンパク質な食べ物を多めに。
筋肉はタンパク質からできており、炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素のなかでも、筋肉の回復に最も重要な栄養素です。
タンパク質は体内で保存できず、また、筋肉を生成できるのは摂取後のわずか約5~6時間とされています。そのため、タンパク質は一度にまとめて摂取しても効果がなく、逆に過剰摂取すると肝臓や腎臓に負担をかけ、内蔵疲労を引き起こす可能性もあります。
毎食ごとに食べるなど、タンパク質の多い食材をこまめに摂取することを意識しましょう。
ちなみに、肉や魚などの「動物性タンパク質」は高カロリーですが、豆や豆腐など低カロリーの「植物性タンパク質」と比べると、動物性タンパク質の方が身体に効率よく吸収されます。肉離れの治療中は、カロリーを取り過ぎないよう分量に注意しながら、動物性タンパク質を積極的に摂取することをおすすめします。
タンパク質を多く含む食べ物
肉類…牛・豚ヒレ肉、豚もも肉、鶏むね肉、ささみ、レバー
魚介類…サケ、タラ、マグロ(赤身)、エビ、アジ、イカ、タコ
食事を1日6食にしてみる。
上記で、タンパク質はこまめに摂取することが大切と書きましたが、1日3回の食事を6回に分けて摂ることで、より効率よく消化吸収することができます。
ただし、タンパク質の多い食材だけを食べるのではなく、身体を動かすエネルギーになる炭水化物や、質の良い筋肉づくりに役立つビタミン、ミネラルなど、栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。
たっぷり水を飲む。
人の身体は、成人で約60~65%が水分でできており、その一部は、血液やリンパ液などになって体内を循環しています。血液は、体の隅々まで酸素、栄養、ホルモンなどを運ぶ重要な役割を担っていると同時に、老廃物や過剰な物質を運び出すという大切な働きをしています。新陳代謝を高め、筋肉の回復を早めるという意味でも、積極的に水を飲むことが大切です。
1度にたくさんではなく、1日1.5リットル以上を目安に、こまめに飲むように注意しましょう。
肉離れは成長ホルモンで早く治す!質の良い睡眠のための3つのポイント
筋肉の合成や脂肪の分解など新陳代謝を活発にし、組織の再生に欠かせない役割を果たす“成長ホルモン”は、睡眠中に分泌されることは良く知られています。
夜22時~深夜2時が成長ホルモンが多く分泌されると言われますが、実際には、睡眠サイクルで深く眠っている時(ノンレム睡眠)に、多く分泌されます。
つまり、しっかり深い眠りに入れる質の高い睡眠が、肉離れの回復に役立つといえるでしょう。
ここでは、肉離れの治療中にぐっすり眠るための方法をご紹介します。
患部を動かさない軽いストレッチをする。
成長ホルモンは、睡眠時だけでなく、運動後にも多く分泌されます。そのため、お休み前に、患部を動かさないように気をつけながら、全身的な軽いストレッチを行うと、より効果的に成長ホルモンの分泌を促進できます。
眠る前に食事をせず、温かい飲み物でリラックスする。
胃の中に食べ物が残っていると、そのまま寝ようとしても身体は消化活動を行います。就寝する3時間前には食事を済ませておきましょう。
人の身体は体温が下がると眠くなります。そのため、寝る前に温かい飲み物を飲んでいったん身体を温めると、体温が下がりやすくなり、寝付きが良くなります。
寝る前に飲むものは、ホットミルクが良いと言われますが、カフェインの入っていないホット麦茶や、香りの良いカモミールティーなどもおすすめ。より身体を温めるなら生姜湯も効果的。胃腸への負担を考える場合は、白湯でも効果があります。
ベッドに入ったらスマホをさわらない。
寝ようとして部屋の明かりを消しても、寝ながらテレビやスマホなどの明るい画面を見ていると、興奮の神経(交感神経)が刺激され、睡眠を妨げてしまいます。
質の高い睡眠に入るためには、落ち着くような音楽を聴いたり、読書をするなど、リラックスの神経(副交感神経)が優位になるよう、心掛けましょう。