激しい痛みや内出血…肉離れの症状と応急処置法

ランニングやサッカーなどの運動時に、急激に太ももやふくらはぎなどに激しい痛みがあり、その場でうずくまってしまう…多くのアスリートの悩みの種になっている「肉離れ」は、最適な判断と応急処置で、ケガの状態を最小限に食い止めることもできます。

事前にそうした知識を持っていれば、万が一のケガが発生した場合にも正しく対処できます。

ここでは、肉離れの度合いをはかる目安と、運動中のさまざまなケガに有効な『RICE(ライス)処置』について、詳しく紹介していきます。

肉離れの度合いをはかる3段階の症状

運動中にいきなり痛みに襲われ、走ることはおろか歩くこともままならなくなる「肉離れ」。肉離れは、全速力で走ったり、ジャンプをするといった瞬発的な運動によって、筋肉が急激に伸縮する際に、筋繊維や筋膜が損傷したり断裂した状態を指します。肉離れは、主に以下のような症状を伴います。

  • 突然故障箇所に強い痛みを感じる
  • 患部に腫れが生じ、内出血を伴う場合もある
  • 重症の場合は断裂の凹みがある
  • 筋硬結と呼ばれるしこりのようなものができる

また、医学的には筋肉の損傷度に応じて3段階に分けられます。以下の特徴から、発生した時点の様子である程度の損傷の具合がわかります。

軽度(1度・顕微鏡的断裂)

  • 筋や腱の組織が微細に損傷した状態
  • 患部を押すと痛みがある
  • 歩行はできるが、ランニングやジャンプでは全力が出せない

中度(2度・不完全断裂)

  • 筋線維や筋膜などの一部が損傷、または部分的に断裂した状態
  • はっきりと患部に圧痛を感じる
  • 歩行が可能なこともあるが、ランニングやジャンプは不能

重度(3度・完全断裂)

  • 筋肉の大部分が断裂、もしくは完全に断裂した状態
  • 圧痛や自発痛など、痛みを顕著に感じる
  • 歩行が完全に不能
  • 完治するのに手術が必要な場合がある

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肉離れに最適な応急処置法『RICE(ライス)処置』

肉離れをはじめ、打撲や捻挫など、運動時のさまざまなケガの応急処置法としてよく知られている『RICE(ライス)処置』。「Rest=安静」「Ice=冷却」「Compression=圧迫」「Elevation=挙上」の頭文字を覚えることで、ケガの発生場面で大いに役立ちます。

安静(Rest)=ケガしたところを動かさないこと

即座に運動を中止し、全身を楽な体制にして静かに休ませます。ケガの箇所をそれ以上悪化させないよう、患部の動きを抑制し、その後の手当をスムーズに行えるようにします。

冷却(Ice)=患部やその周辺を冷やすこと

氷や氷水、氷がなければ水を使って、ただちに患部を冷やします。血管を収縮させて内出血や炎症を抑え、腫れや痛みを最小限に食い止めます。1~2時間に20分~30分を目安に感覚がなくなる程度行います。受傷後2~3日の間にこまめに行うようにします。このとき、冷やし過ぎて凍傷や血行障害などにならないよう注意が必要です。

圧迫(Compression)=弾性包帯などで圧迫すること

患部とその周囲を弾性包帯などを使って適度に圧迫します。皮膚の上から血管や周囲の組織を圧迫することで、腫れや出血を防ぎます。この場合、圧迫しすぎると血行障害などを起こす場合もあるので、締め付けすぎないよう注意が必要です。

挙上(Elevation)=患部を心臓より高い位置に保つこと

ケガしたところをできるだけ心臓よりも高いところに置くことで、内出血や腫れを防ぎます。近くにあるイスや台、毛布やタオルなどを下に敷くことで高さを調節しましょう。

肉離れの発生時、絶対にやってはいけない4つのこと

筋肉に痛みがあった場合、マッサージなどついついやってしまいがちなことがいくつかあります。肉離れは、筋肉が断裂している“裂傷”のため、一般的な筋肉痛と同様に処置をすると悪化する場合もあります。

以下の4つの項目については、肉離れの際にやってはいけないこととして覚えておきましょう。

患部を揉んだり、周囲をマッサージする

弱っている筋繊維をさらに傷つけたり、腫れや炎症を悪化させる可能性があります。

患部とその周囲のストレッチ

損傷している筋肉をさらに伸ばすのはもってのほかです。ビリッとした切れるような痛みがある場合は、ストレッチは避けましょう。

お風呂に入る

肉離れの治療はアイシングによる内出血と腫れの防止が第一です。ケガをしたその日は、入浴を避けましょう。

湿布や塗り薬などを使う

医師の診断を受ける前に、不用意に薬を使うことで症状を悪化させることがあります。必ず医師から処方された薬を使いましょう。

応急処置が済んだら、ただちに専門家に受診を。

肉離れは、症状によって数日から数ヶ月と治癒の期間が大きく変わってきます。

肉離れを起こした場合には、自己診断だけでなく、早めに病院や治療院などの専門家にしっかり診断してもらい、ケガの具合を正確に知ることが何より大切です。

肉離れはレントゲンでの診断が難しいため、MRIなどの設備が整った病院で受診してもらうことをおすすめします。

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