【腕の肉離れとストレッチ】脚よりやっかいな腕の肉離れと、5つの基本ストレッチ

『肉離れ』の発症部位は、9割が太ももやふくらはぎの脚部に集中しています。

でも、日常生活で重い荷物を持った時や、腕立て伏せやダンベル挙げなどのトレーニングの途中など、何かの拍子に腕に肉離れの痛みが…ということも少なくはありません。

【腕の肉離れとストレッチ】脚よりやっかいな腕の肉離れと、5つの基本ストレッチ

腕の肉離れは、スポーツの場面だけでなく、職場や家庭でも発生する可能性があり、また生活にダイレクトに支障を来す、やっかいなケガといえるでしょう。

そこで今回は、腕の肉離れにスポットを当てて、肉離れの予防に役立つ5つの基本的なストレッチをご紹介いたします。

腕の肉離れの主な原因とその理由

人の腕は、いくつもの筋肉が相互に作用しながら、複雑な動きをする、スポーツはもちろん普段の生活にも欠かせない部位。関節の可働域も広く、脚よりもさらに繊細な動きに作用します。本来は、脚の筋肉よりも柔軟で、肉離れしにくい部位ですが、瞬間的に強い負荷がかかると筋断裂や筋膜損傷などを起こすことがあります。

ここでは、肩と肘の関節の動きに作用する、上腕(二の腕)に絞り、肉離れになる際の注意点を解説します。

上腕の筋肉の特徴

上腕は、肩から肘にかけて複数の筋肉で構成されていますが、主要な筋肉で名前もよく知られているものとしては、上腕二頭筋と上腕三頭筋が挙げられます。

上腕二頭筋は、腕の前面、いわゆる“力こぶ”を生成する筋肉で、肘関節の屈曲と前腕を外側に回す動作に作用し、主に引く力に影響します。

上腕三頭筋は、上腕二頭筋の裏側に位置する大きなパワーを持った筋肉で、肘関節の伸展と上腕を内側に回す動作に作用し、主に押す力に影響します。

腕の筋肉は、脚よりも日常生活で頻繁に使われるため、硬くなりにくい筋肉といえますが、三角筋などの肩の筋肉や、胸、背中などの筋肉と密接に関わっており、日頃の姿勢や骨格などにも影響を受けやすいデリケートな筋肉ともいえます。

肉離れの主な原因と発症時の問題点

肉離れにの主な原因には、「急激な運動」をはじめ「筋力の疲労・低下」「筋肉の柔軟性の低下」などがありますが、上腕二頭筋や上腕三頭筋は、同じ動きの反復による疲労や、肩関節からの影響、瞬間的な強い負荷など、肉離れのきっかけになる事象は多岐にわたると考えられます。

また、腕の筋肉は、脚よりも心臓に近いことから血流が多く、手指の細かな動きをつかさどる神経も数多く走っていることから、筋肉のケガが指先のしびれにつながるなど、血行障害や神経の麻痺などに関連する可能性も高くなります。

さらに、食事やデスクワークといった日常の細かな作業にも大きく影響するため、ケガの予防や治療中のケアにも注意が必要です。

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腕の肉離れの予防に役立つ、5つの安心ストレッチ

腕は運動時以外のふだんの生活でも可動性や柔軟性がとても大切な部位です。肩や首・背中にかかる筋肉とも密接に関係しているので、部分的ではなく肩や首まで伸ばすようなつもりでストレッチしましょう。

1.肩から腕にかけてのストレッチ

とてもよく見られる代表的なストレッチです。主に肩や背中の筋肉を伸ばしつつ上腕三頭筋をストレッチングします。

①ストレッチしたい方の腕を、胸の前で交差させるようにまっすぐ伸ばします。
②反対側の腕で、ストレッチする側の腕の肘を引きつけます。
③肩から背中、腕の裏側が伸びているのを感じたら、30秒キープします。
④同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

2.上腕三頭筋のストレッチ

こちらも肩から背中にかけての筋肉を伸ばすストレッチですが、より上腕三頭筋への効果が実感できます。

①両腕を頭の後ろへ回し、肘を曲げます。
②ストレッチしたい方の肘を、もう片方の手で掴み、頭の下の方へ引き寄せます。
③腕の裏側や首・肩の筋肉が伸びているのを感じたら、30秒キープします。
④同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

3.柱を使った上腕のストレッチ

柱などに手をかけて、胸を広げていくように動かすストレッチです。上腕だけでなく胸や肩の筋肉にも効果があります。

①ストレッチする腕を肩の位置で真っ直ぐ伸ばし、柱や壁に手をついて支えます。
②伸ばした腕が身体の後方に来るように上半身を捻ります。
③腕、胸、肩の筋肉が伸びているのを感じたら、その姿勢を30秒キープします。
④同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

4.ドアの枠を使った上腕のストレッチ

ドアなどの扉の枠や柱の間を使って行うストレッチです。適当な場所がない場合は、胸を広げるだけでも効果があります。

①ドアの左右の枠を肘の高さでつかみます。
②腕が身体の後方にくるように、脚を前に踏み出して身体の重心を前方に移動させます。
③腕、胸の筋肉が伸びているのを感じたら、その姿勢を30秒キープします。

5.前腕のストレッチ

前腕と同時に上腕から肩までの筋肉を伸ばすストレッチです。手首から肘、肩まで腕全体が繋がっていることが実感できます。

①手のひらを上に向けて、ストレッチしたい腕をまっすぐ伸ばします。
②伸ばした手の指先を、反対側の手で掴み、手前に引き寄せます。
③手首から肩までの筋肉が伸びているのを感じたら、その姿勢を30秒キープします。
④同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。
※ストレッチする腕の手の甲を上に向けると、反対側の筋肉に作用します。どちらも一緒に行うと効果的です。

腕の筋肉、とくに利き腕の故障は、日常生活に大きく影響してしまいます。日頃のストレッチを習慣にして、柔らかく肉離れしにくい筋肉づくりで、ケガのない健康的な生活を過ごしてください。

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