股関節の柔軟性を確かめるチェックポイントと、お尻歩きエクササイズ

日常的な何気ない動作で、脚の付け根やお尻のあたりに違和感を感じたことはないでしょうか。もしかすると、そういった方の中には、すでに腰痛や肩こりなどに悩まされているかもしれません。

上半身と2本の脚をつなぐ『股関節』のバランスが崩れると、骨盤や背骨(脊柱)の歪みを誘発してしまい、腰や肩、場合によっては膝などにも悪影響を及ぼす場合があります。

そこまでは至らなくても、人間の基本的な動作のほとんど全てに関係する股関節の柔軟性は、健康的な生活を送る上で、非常に大切な要素です。

そこで、日常生活における股関節の動きのチェックポイントと、さらに歪みの矯正にも役立ち、他にもメリットがいっぱいのエクササイズ『お尻歩き』についてご紹介します。

股関節の状態を確かめる7つのチェックポイント

ふだん正しい姿勢を保っている人は、股関節にちょっとしたズレが発生しても日常的な動作で違和感を感じることがあります。逆に姿勢が悪い人は、ふだん股関節のズレを意識していないため、痛みや違和感を感じた場合には、ケガや病気の自覚症状として現れている可能性もあります。

以下の項目に心当たりのある方は、股関節を痛めている場合もあるので、病院や接骨院などに受診することをおすすめします。また、当てはまらない人も、今後の股関節の病気やケガの防止に役立つチェックポイントとして覚えておくと良いでしょう。

  • 仕事やショッピングで一日中歩くと、夜に股関節に違和感や痛みを感じる。
  • ふつうに歩いていても、肩が左右に揺れてしまう。
  • あぐらをかいて座るのがつらくなった。
  • 足の指の爪を切る姿勢がきつい。
  • ズボンや靴下を履くのがきつい。
  • 血縁者に股関節を痛めている人がいる。
  • 子どもの頃に股関節を脱臼している。

関連記事:「歩くと股関節が痛い人」が知っておくべき3のこと

関連記事:症状別にみる、股関節の痛みの原因と問題

股関節のズレ具合をチェックできる『お尻歩き』

股関節の動きをチェックし、なおかつ歪みを矯正できるエクササイズとして『お尻歩き』があります。

骨盤矯正のエクササイズとしてもよく知られていますが、この運動では、股関節を動かすのに大切な腸腰筋(大腰筋・腸骨筋など)を使うため、股関節の動きを確認する上でも非常に役立ちます。

誰でも、ご自宅で簡単にできる運動なので、ぜひお試しください。

【お尻歩きのやり方】

① ヨガマットやバスタオルなどを敷いた床の上に、脚を伸ばして座ります。
② 肩の力を抜いた状態で、お尻(骨盤)だけを動かして、2mほど前進します。
③ 2m進んだら、そのまま後ろ歩きの要領で、元の位置に戻ります。
※できるだけ膝を曲げず、肩や腕で反動をつけないように注意します。なお、座った時に痛みがある場合は行わないようにして、整形外科や接骨院などで診断してもらうことをおおすすめします。

お尻歩きを試して、以下のような結果になる場合は、股関節や骨盤の歪みなど姿勢に問題がある可能性があります。一度ご自身でチェックしてみてください。

  • 斜めに動いてしまい、元の位置に戻れない。
  • 肩や腕で反動をつけないと進めない。
  • 膝を立てないと進めない。
  • 片方の肩が上がったり、腕に力が入ったりしてしまう。
  • 猫背になったり、首をすくめてしまう。
  • 股関節からポキポキといった音がする。
  • 少しだけでも、ひどく疲労してしまう。

『お尻歩き』は、日頃のトレーニングのひとつとして生活習慣に組み込むと、股関節や骨盤の矯正に役立ち、健康や美容の面でさまざまな効果が期待できます。上記のポイントを改善するように心掛けながら、毎日、少しずつ実践していくことで、股関節の柔軟性を高めていけます。

中高年からアスリートまで、習慣化したい『お尻歩き』エクササイズ

上記でもご紹介したように『お尻歩き』は、腸腰筋だけでなく、恥骨尾骨筋や腸横筋など、ふだん鍛えにくい筋肉も使うため、姿勢の矯正や老化防止はもちろん、ダイエットやヒップアップ、ウェストのサイズダウン、アンチエイジングなどにも有効です。

また、ちょっと工夫を加えるだけで、太ももの筋肉にも作用するハードな筋トレにもなるので、アスリートの筋肉強化のトレーニングとしても効果的です。

ご自身の目的や体力に応じたやり方で、ぜひチャレンジしてみてください。

■背筋の矯正や老化防止に役立てたい方は、肩の高さで腕を組む

① 腕を肩の高さまで挙げて、両手で肘を掴みます。
② そのまま腕の高さをキーップして、お尻歩きします。
※膝を伸ばしている状態がつらい場合は、膝を立ててもかまいません。無理のない範囲で着実にトレーニングを積み重ねてください。

■太ももやインナーマッスルまで鍛えたい方は、両脚を挙げる

① 基本姿勢を維持したまま、脚を持ち上げ、お尻だけで座るようにします。
② かかとを床に着かないようにしながら、お尻歩きを繰り返します。
※膝を伸ばしている状態がつらい場合は、膝を曲げた状態でもかまいません。腹筋や腰筋、脚の筋肉にも負荷がかかってキツいですが、その分より大きな効果が期待できます。

股関節は、太ももや骨盤から脊柱につながっているため、『お尻歩き』は全身運動にもなります。慣れてきたら、移動距離を増やす、脚を上げる角度を変える、ダンベルを持つなど負荷を増やして、健康的な身体づくりや体幹トレーニングに役立ててください。

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