股関節まわりを鍛える!「屈曲・伸展」に関わる筋肉トレーニング

股関節は、いつも多方向にスムーズに稼働させられるよう、常に良い状態を保っておきたいものです。しかし、あらゆる関節がそうであるように、股関節にも筋肉がついていません。つまり、股関節そのものを鍛えることができないのです。

股関節は、腰からお尻、太ももにある20種類以上もの筋肉を使うことで、さまざまな方向に動かせるようになっています。

一般に「股関節を鍛える」という場合には、それらの股関節の動きに関わる筋肉を鍛えるということになります。

ここでは、股関節の前後の動きである「屈曲」と「伸展」に関わる筋肉のトレーニングについてご紹介します。

股関節の「屈曲」に関わる主な筋肉と効果的な筋トレ

股関節の「屈曲」とは、骨盤から上半身を前に倒したり、太ももを持ち上げるなど、大腿部を腹部側に引き上げる動きのことです。

股関節の「屈曲」に関わる主な筋肉

  • 大腰筋…脊柱の腰のあたりから、骨盤を通過して、太ももの内側の付け根につながる筋肉で、腸腰筋のひとつです。
  • 腸骨筋…骨盤の上部(腸骨)から、太ももの内側の付け根につながる筋肉で、腸腰筋のひとつです。
  • 大腿直筋…骨盤から、股関節を通過し、膝関節の下の頸骨につながる、大腿四頭筋の中で最大の筋肉です。
  • 縫工筋…骨盤の外側から、股関節を通過し、太ももの内側を通って膝関節の下の頸骨につながる、大腿四頭筋のひとつです。
  • 恥骨筋…骨盤の中で恥骨櫛から大腿骨につながる、股関節内転筋群のひとつです。

股関節の「屈曲」に関わる筋肉トレーニング(1)

仰向けになった状態で、脚の重さを負荷としながら、両脚を上げていくトレーニングです。股関節屈曲の代表的なエクササイズで、自宅でも簡単にできるので、積極的にトレーニングに取り入れましょう。

①ヨガマットなどを敷いた床に仰向けに寝ます。
②手で床を押さえ、腰や背中が曲がらないように支えながら、両脚をしっかり伸ばし、かかとを床から離します。
③息を吐きながら、股関節を支点にして、そのままゆっくり両脚を上げていきます。
④脚が垂直に上がる前に止め、1〜2秒静止します。
⑤ゆっくりと②の姿勢まで、脚を戻します。

これを8〜15回を1セットとし、3セットを目安に行います。

股関節の「屈曲」に関わる筋肉トレーニング(2)

鉄棒やバーなどにぶら下がって行う、上級者向けのトレーニングです。腹筋下部がメインになりますが、骨盤の深層部にある腸腰筋にもとても効果があります。自宅にぶら下がれるような桟などが無い場合には、公園やジムなど、しっかり設備の整った場所で行いましょう。

①肩幅より多少広めに手を伸ばしてバーにぶら下がります。
②そのまま腹筋に力を入れ、股関節だけを動かすようにして両脚を揃えて持ち上げます。
③90度以上まで上げたら、1〜2秒静止します。
④ゆっくり脚を降ろします。

これを8〜15回を1セットとし、3セットを目安に行います。

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股関節の「伸展」に関わる主な筋肉と効果的な筋トレ

股関節の「伸展」とは、屈曲で持ち上げた脚を下に降ろす動作のこと。太ももから下を後方に伸ばす場合は過伸展と呼ばれます。

股関節の「伸展」に関わる主な筋肉

  • 大殿筋…お尻の大部分を占める筋肉で、骨盤の脊柱とつながる仙骨あたりから、股関節を包むように大腿骨につながる筋肉です。
  • 半腱様筋…骨盤の座骨から、太ももの裏側を通り、膝関節の下の頸骨内側につながる、ハムストリングのひとつです。
  • 半膜様筋…骨盤の座骨から、半腱様筋と被るようにして、膝関節の下の頸骨内側につながる、ハムストリングのひとつです。
  • 大腿二頭筋…骨盤の座骨と、大腿骨の裏側の2カ所から、膝関節下の腓骨につながる、ハムストリングのひとつです。

股関節の「伸展」に関わる筋肉トレーニング(1)

お尻の大殿筋や太ももの裏側の筋肉を鍛えるのに効果的なメニューです。下半身の引き締めやヒップアップなどの効果も期待できます。

①両膝と両肘を床に着けた状態で四つん這いの体勢になります。背筋は真っ直ぐ、反ったり曲がったりしないように注意します。
②片脚の膝を曲げた状態のまま、上方へ持ち上げます。股関節だけを動かして行うようにしましょう。
③太ももが床と平行になったところで、1〜2秒静止します。
④ゆっくりと②の姿勢まで、脚を戻します。
⑤片脚で必要な回数を繰り返したら、逆側の脚でも同様に行います。

これを8〜15回を1セットとし、3セットを目安に行います。

股関節の「伸展」に関わる筋肉トレーニング(2)

「スクワット」として知られているエクササイズです。大殿筋など股関節の伸展に関わる筋肉を中心に、膝の伸展も行うのでヒップアップや脚のむくみなどにも効果があります。

①両脚を肩幅に開き、つま先を外側に向けて立ちます。このとき、背筋を伸ばして視線は前に向けます。
②股関節から腰を下ろしていくような意識で、腰や背中を曲げないように、ゆっくり膝を曲げていきます。
③お尻や太ももの裏側に負荷を感じたところで、1〜2秒静止します。
④ゆっくりと膝を伸ばします。

手の位置は、腕を組んだり、頭の後ろに組んだり、やりやすい形でかまいません。ただし、腕を振って反動を使うことのないようにしましょう。また、かかとはずっと床に着けておくようにします。これを10〜15回を1セットとし、3セットを目安に行います。

スポーツ時以外でも日常的に使われる股関節は鍛えるというより、いつも柔軟に保つと考える方がよい部位です。連日のようにハードなトレーニングを行うと、股関節まわりの筋肉が疲労し、逆にケガをしてしまいやすくなります。日頃の生活に支障が出ないようトレーニングの後は十分な休養を取るようにして、健康的な毎日をお過ごしください。

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