脚のむくみ取りや下半身痩せに!股関節ストレッチの効果
子どもの頃から前屈が苦手。歩いているとちょっとした段差につまずきやすい。猫背で前屈みの姿勢になりがち。そんな方は、左右の股関節に歪みが生じている可能性があります。そして、そういった方の多くが、上半身に比べて下半身が太いとか、脚がむくみやすいといった悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
なぜ、脚のむくみや下半身太りと、股関節が関係しているのか、今回はそれらを詳しく解説し、股関節まわりを柔らかくする3つの簡単なストレッチをご紹介いたします。
股関節まわりのストレッチで、いつめキレイで健康に
ご存知のように、関節には筋肉はついていません。そのため、股関節と下半身太りやむくみが関係していると聞いてもピンと来ない方も少なくないでしょう。
確かに、股関節の動きは、肩や膝、足首の関節や、背中、首の骨などの動きに比べて、ふだんの生活の中でなかなか意識されることがありません。しかし、実際には、立つ、歩く、座るといった人間の基本的な動作のほぼ全てに股関節は関係しています。前述した“前屈”などは、腰や背中の動きのように思われがちですが、実際には股関節の可動域が、最も関係しているのです。
股関節は、腰から下腹部あたり、お尻、太ももの筋肉などを使って動かされています。一般的に「股関節が硬い」という場合は、それらの股関節を動かす筋肉が硬直している状態を指します。また、股関節の周辺には動脈・静脈の太い血管やリンパも走っており、上半身と下半身を結んでいます。
つまり、股関節まわりの筋肉が硬直することによって、下半身への血液やリンパの循環が悪くなり、冷えやむくみを引き起こしてしまうのです。さらに、血行不良が進むと、老廃物がたまりやすくなり、脂肪も燃焼しづらくなって、結果的に、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。
また、股関節は骨盤とつがっているため、左右にズレが生じると上半身の姿勢に影響し、腰痛や肩・首の凝りにもつながる場合があります。
このように、股関節とそのまわりの筋肉は、日常の動作に限らず、健康や美容の面に非常に大きく関係しています。ストレッチなどの日頃のケアで、股関節のズレを直し、常に柔軟性を保つことは、単なる健康維持だけでなく、脚痩せやヒップアップ・ダイエット・アンチエイジング等の美容面にも役立ちます。健康的な生活や美しい身体を手に入れるには、日頃から“股関節の柔らかさ”を意識しておくことが大切といえるでしょう。
関連記事:症状別にみる、股関節の痛みの原因と問題
自宅でできる、簡単な3つの股関節ストレッチ
左右の股関節のズレを矯正し、柔らかさを取り戻すには、日頃から股関節まわりの筋肉を伸ばすことが大切です。短期間で目に見える効果が出る訳ではありませんが、毎日ストレッチを習慣づけておくことで、徐々に体質は改善され、ダイエットや健康面で変化を実感できるようになるはずです。
ここでは、自宅でちょっとした時間にできる、簡単な股関節ストレッチをご紹介します。
1.足裏を合わせて座るストレッチ
股関節の動きに関わる、内ももの筋肉を伸ばすストレッチです。
壁にもたれて、背中の曲がりをチェックしながら行いましょう。
①壁に背中をつけて、あぐらをかくような姿勢で床に座り、両方の足裏をくっつけます。このとき、背中や頭が壁についているか確認しながら、背筋を伸ばします。
②両方の膝を床につけるように、息を吐きながら10〜20秒間、手で押さえます。膝が床につかない場合は、無理のない程度に押さえてください。
③片方の手を床につき、もう片方の膝だけを押します。息を吐きながら10〜20秒キープです。
④③のストレッチを反対側の膝でも同様に行います。
2.腰や太ももの横側を伸ばすストレッチ
腰から太ももの横側を伸ばすストレッチです。腕を上に伸ばして手首を掴むように行うと、肩や腕まで気持ちよく伸ばせます。
①脚を肩幅に開き、まっすぐに立ちます。
②片脚に体重をかけながら、股関節から曲げることを意識して上半身を傾けます。このとき背中を丸めたり、腰から曲げないように。斜め上に伸び上がるように意識すると上手くできます。
③腰から太ももの横側に負荷を感じたところで、息を吐きながら10秒キープします。
④反対側でも③と同様のストレッチを行います。
体重をかけている側のかかとは床に着け、もう片方のかかとは上げるようにすると上手くできます。
3.お尻の筋肉を伸ばすストレッチ
仰向けに寝た状態で、脚を組み、手で膝を引き上げるストレッチです。主にお尻から太ももの裏側を伸ばし、腰痛やヒップアップに効果があります。
①仰向けに寝て、軸脚の膝が90度に立つような姿勢で脚を組みます。
②軸脚の膝(下側の膝)を両手で掴み、お腹の方へ引き上げます。このとき、背筋を丸めて上半身が浮かないように。背中を床に着けて行います。
③十分に膝を引き上げられたら、息を吐きながら0〜20秒キープします。
④同様のストレッチを反対側の脚でも行います。
ここでは3種類の股関節ストレッチをご紹介しましたが、股関節は20種類以上の筋肉を使って前後左右あらゆる方向に動く、とても大切な関節です。
腰やお尻、太ももの筋肉を伸ばすストレッチは必ず股関節の柔軟性に役立ちます。上記のストレッチにこだわらず、様々なストレッチを行って股関節の可動域を広げ、美容や健康、スタイルの維持に役立ててください。
関連記事:その痛みはどこから来てる?股関節が痛いときの4つの要因
関連記事:股関節からくる腰痛の原因とは