股関節まわりを鍛える!「外旋・内旋」に関わる筋肉トレーニング

サッカーで、足の甲の外側を使って斜め前に蹴り出すアウトサイドキックや、前から飛んできたボールを足の内側で止めるインサイドトラップなどのプレーをよく見ますよね。

実は、あのようなプレーも“股関節から脚をねじる”ことで可能になっている動作です。

股関節から脚をねじる(回転させる)動きを「外旋」「内旋」といい、いくつもの筋肉を同時に使うことで可能になっています。

ここでは、股関節の「外旋」と「内旋」に関わる筋肉のトレーニングについてご紹介します。

股関節の「外旋」に関わる主な筋肉と効果的な筋トレ

股関節の「外旋」とは、股関節から脚全体を外側にねじる動きのことです。

股関節の「屈曲」に関わる主な筋肉

  • 梨状筋…大殿筋の深層にあるインナーマッスルで、骨盤の仙骨内側から、股関節を覆うようにして大腿骨大転子の先端につながります。
  • 内閉鎖筋…大殿筋の深層にあるインナーマッスルで、骨盤の内側から、股関節の近い大腿骨大転子とつながる筋肉です。
  • 上双子筋…大殿筋の深層の、梨状筋と内閉鎖筋の間にあるインナーマッスルです。座骨から大腿骨大転子の先端につながります。
  • 下双子筋…大殿筋の深層の内閉鎖筋のすぐ下にあるインナーマッスルです。上双子筋と対をなし、座骨から大腿骨大転子の先端につながります。
  • 大腿方形筋…大殿筋の深層にあるインナーマッスルです。上双子筋と対をなし、座骨と大腿骨大転子を強く結んでいます。

上記の筋肉を総称して「深層外旋六筋」といいます。

股関節の「外旋」に関わる筋肉トレーニング(1)

横になって膝を広げる股関節の外旋に特化した、とてもシンプルなトレーニングです。

①膝を60〜90度に曲げて、横向きに寝ます。背筋は真っ直ぐ、背中を丸めないように注意します。
②股関節から動かすように意識しながら、両足先はくっつけたまま、蟹股で脚を開くように上側の膝だけを上げます。
③ゆっくり元の姿勢に戻ります。
④片脚で必要な回数を繰り返したら、逆側の脚でも同様に行います。

とくに回数の設定はありません。トレーニングとして物足りない場合は、トレーニング用のチューブやゴムバンドを両脚に巻いて負荷を上げて行いましょう。

股関節の「外転」に関わる筋肉トレーニング(2)

トレーニング用のチューブやゴムバンドを使い、仰向けに寝た状態で行うシンプルなトレーニングです。軽くほぐしたい程度であれば、バンドを使わなくても大丈夫です。

①両足の甲にゴムバンドを巻いた状態で、脚を肩幅程度に広げて仰向けに寝ます。
②股関節から脚全体を外側に向けるようにねじります。このとき、足首だけを曲げないように注意してください。
③脚全体がねじれているように感じ、足の甲が十分外側に向いたら、1〜2秒静止します。
④ゴムの反動を使わずに、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

これを10〜15回を1セットとし、3セットを目安に行います。バンド等を使わない場合は、とくに回数を設定する必要はないでしょう。

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股関節の「内旋」に関わる主な筋肉と効果的な筋トレ

股関節の「内旋」とは、股関節から脚全体を内側にねじる動きのことです。

股関節の「内旋」に関わる主な筋肉

  • 中殿筋…大殿筋の上部にあり、骨盤の腸骨外側から、股関節をまたいで、大腿骨上部の外側につながる筋肉です。
  • 小殿筋…中殿筋の深層にあるインナーマッスルで、骨盤の腸骨外側から、股関節をまたいで、大腿骨上部の外側につながります。
  • 恥骨筋…骨盤の中で恥骨櫛から大腿骨につながる、股関節内転筋群のひとつです。
  • 薄筋…骨盤の恥骨から、太ももの内側を通り、膝関節下の頸骨につながる、長い帯状の筋肉です。

股関節の「内旋」に関わる筋肉トレーニング(1)

「外旋」のトレーニング(2)で紹介したエクササイズと同じ体勢で、脚を内側にねじります。ゴムの負荷がかけられないので、バンドなどは使いません。

①脚を肩幅程度に広げて仰向けに寝ます。
②股関節から脚全体を内側に向けるようにねじります。このとき、足首だけを曲げないように注意してください。
③脚全体がねじれているように感じ、足の甲が十分内側に向いたら、元の姿勢に戻ります。

このトレーニングに回数の設定はとくにありません。お尻から骨盤の外側に負荷がかかっていることを確認しながら行いましょう。

股関節の「内転」に関わる筋肉トレーニング(2)

ゴムバンドやトレーニングチューブを使った、イスに座って行うトレーニングです。軽くほぐしたい程度であれば、バンドを使わなくても大丈夫です。

①足首の位置にゴムバンドを巻き、イスに座ります。
②股関節を動かすように意識しながら、片方の膝を内側にねじり、膝から下を外側に広げます。
③お尻や太ももの外側に負荷を感じたところで、1〜2秒静止します。
④ゴムの反動を使わないよう、ゆっくりと元の姿勢に戻します。

これを10〜15回を1セットとし、3セットを目安に行います。バンド等を使わない場合は、とくに回数を設定する必要はないでしょう。

股関節の外旋・内旋の動きは、スポーツをする上では非常に重要ですが、日常生活ではあまり現れない動作です。長時間のデスクワークなどイスに座ったまま同じ姿勢で過ごすような生活だと、座骨神経痛や膝痛といった症状につながる場合があります。スポーツをされない方も、トレーニングとまではいかなくとも、日頃から股関節まわりの筋肉をほぐす程度の運動を行うことをおすすめします。

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