股関節周りの筋肉のトレーニング方法

股関節周辺には、多くの筋肉があります。

覚えるだけでも一苦労ですが、どのように鍛えれば良いかを知るには、まずは筋肉を知ることがとても大切です。

筋肉がどのあたりにあるか、どの動きのときに働くかを知ることで、トレーニングやストレッチなどで意識をしやすくなり、より効果的に行うことができます。

それでは、股関節周りの筋肉の鍛え方について、みていきましょう。

股関節の動きと働く筋肉

まずは、股関節の動きと、その動きによって働く筋肉について説明していきます。

筋肉がどこにあるかを知っても、まず股関節がどのように動くかを知らないと意味がありません。

股関節は球関節といって、他の関節と比べると動かせる方向が多いです。

どのような動きがあるか、どのような筋肉が働くか、確認していきましょう。

屈曲

まずは、股関節の屈曲です。

大腿部を腹部側に引き上げることを言います。

※直立した状態を基準にしてお伝えしています。以下も同様です。

一般的に、「脚を挙げる」といったら股関節の屈曲のことです。

股関節の屈曲で主に働く筋肉は、

  • 腸腰筋
  • 大腿直筋(大腿四頭筋の中の一つ)
  • 縫工筋

などです。

この他にも股関節の屈曲によって働く筋肉はありますが、ここでは主に働く筋肉のみをご紹介しています。

伸展

脚を後方に蹴る動作です。

屈曲とは真逆の方向に動かすことです。

伸展の特徴は、股関節と比べると可動域が狭いということです。

股関節の伸展で主に働く筋肉は、

  • 大殿筋
  • 半腱様筋
  • 半膜様筋
  • 大腿二頭筋

が挙げられます。

半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋をまとめて、ハムストリングスといいます。

外転

脚を外側に挙げていく動きです。

普段は、前後の動きが多い為、あまりこの動きをすることはありません。

狭い店内などで、狭いところを通るときに、体を横にして通りますよね。

そのときには、股関節の外転の動きを使っています。

イメージできたでしょうか。

股関節の外転で主に働く筋肉は、

  • 中殿筋
  • 小殿筋
  • 大腿筋膜張筋

があります。

中殿筋と小殿筋は、大殿筋よりも深層にあり、インナーマッスルといえます。

内転

股関節の外転と逆の動きのことです。

股関節の内転で主に働く筋肉は、

  • 大内転筋
  • 長内転筋
  • 短内転筋
  • 薄筋
  • 恥骨筋

などです。

内転で働く筋肉は、名前に内転がつくので覚えやすいと思います。

外旋

膝をくるっと外側に捻っていく動きです。

股関節の外旋で主に働く筋肉は、

  • 外閉鎖筋
  • 内閉鎖筋
  • 上双子筋
  • 下双子筋
  • 梨状筋
  • 大腿方形筋

などです。

これら6つの筋肉を総称して、深層外旋六筋といいます。

深層外旋六筋は、読んで字のごとく、深層にある筋肉なので、あまり大きな力は発揮しませんが、股関節を安定させる役割を担っています。

内旋

外旋とは反対に、膝をくるっと内側に捻っていく動きです。

股関節の内旋で働く筋肉は、

  • 小殿筋(前部)
  • 中殿筋(前部)
  • 大腿筋膜張筋
  • 恥骨筋
  • 半腱様筋
  • 半膜様筋

などが挙げられます。

内旋の動きも大きな力は発揮しません。

その為、メインで動き筋肉は存在せず、それぞれが補助をするような形で働いています。

筋肉は繊維ごとに働きが異なり、内旋の動きでは小殿筋、中殿筋は前部の繊維のみ働きます。

また、股関節の伸展の働きがある、半腱様筋、半腱様筋は、大腿骨の内側にある為、股関節の内旋の動きを補助します。

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股関節のトレーニング

股関節の動きと働く筋肉をご紹介してきました。

それらを踏まえて、次に、股関節のトレーニングについて、お伝えしていきます。

ここでは、ご自宅で簡単にできるトレーニングについてお伝えします。

ご自宅で行う際には、マシンを使ったトレーニングとは違い、全て重力に逆らって動かす必要があります。

重力が負荷となり、トレーニングできるのです。

それでは、1つずつみていきましょう。

レッグエクステンション

膝の曲げ伸ばし運動です。

  1. 仰向けになり、両膝を90度くらいに曲げます。
  2. そこから、膝の位置はキープしたまま、膝の曲げ伸ばしをゆっくり行います。

行う側の膝の位置をキープするのが大変なので、そこを意識しておきましょう。

使われる筋肉は、大腿部前面にある、腸腰筋、大腿直筋です。

また、お腹の筋肉も使われます。

ヒップリフト

  1. レッグエクステンションと同じように、仰向けになり、膝を90度くらいに曲げます。
  2. そこからお尻の上げ下げを行います。
  3. 下げる範囲は、お尻が床に着くギリギリのところまでにしましょう。

股関節は、伸展の動きがメインになります。

使われる筋肉は、お尻にある大殿筋、大腿部後面にあるハムストリングです。

アブダクション

アブダクションとは、股関節の外転の動きのことです。

  1. 左脚を下にして横向きに寝転がり、両膝を90度くらいに曲げます。股関節は少し屈曲した状態にします。
  2. このときに、背中が丸まらないように注意しましょう。
  3. そこから、右脚を真っ直ぐに伸ばし、天井方向に向かって上げ下げを行いましょう。

行う際に、膝が床の方向に向かないように、なるべく天井方向に向くように意識しておきましょう。

使われる筋肉は、中殿筋、小殿筋などです。

お尻の奥の方がじわっと効いてくる感覚があれば問題ありません。

アダクション

アダクションとは、股関節の内転の動きのことです。

  1. 仰向けに寝転がり、両膝を90度くらいにしましょう。
  2. そこから、膝の間の隙間を埋めるようにして力を入れます。
  3. 柔らかいボールや、座布団などを膝の間に入れるとやりやすいと思います。

使われる筋肉は、大内転筋、長内転筋、短内転筋などです。

内腿の脂肪が気になる方は特におススメです。

エクスターナルローテーション

股関節の外旋トレーニングです。

  1. アブダクションと同じく、左脚を下にして横向きに寝転がり、両膝を90度くらいに曲げます。
  2. そこから、両足をくっつけたまま、膝を開いて閉じてをゆっくり繰り返します。

使われる筋肉は、外閉鎖筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、梨状筋、大腿方形筋です。

お尻の深層にある筋肉なので、少し意識しにくいかもしれませんが、何となく使っていることを意識しておきましょう。

インターナルローテーション

股関節の内旋のトレーニングです。

道具を使わずに内旋のトレーニングをする場合、重力を負荷として行うことが難しい為、使っている筋肉を意識することが、より重要になります。

  1. 立っている姿勢から、右脚を少しだけ浮かせます。
  2. 浮かせた右脚の膝を内側に捻って内旋の動きをして、戻してを繰り返します。
  3. バランスがとりにくい場合には、壁の前に立って、壁に手をついて行っても良いでしょう。

お尻の奥の方がじわっと温かくなるのを感じましょう。

使われる筋肉は、小殿筋(前部)、中殿筋(前部)、大腿筋膜張筋などです。

エクスターナルローテーションと同じく、深層にある筋肉なので、少しわかりにくいかもしれませんが、何となくお尻のあたりを意識して行いましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

股関節周りの筋肉とトレーニング方法についてみてきました。

筋肉名は聞き慣れないものばかりだと思いますが、トレーニングのときに何となく使っている感覚を意識するだけでも効果が違ってきます。

もしご自宅で股関節周りのトレーニングを行う場合には、当記事をぜひご参考ください。

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