どんな効果があるの?股関節用サポーターを選ぶコツ
股関節に痛みがあるときの対策のひとつ、股関節用のサポーター。しかし、一口にサポーターといっても、股関節の痛みがどの程度の痛みで、どのような原因によるものかによって選び方も変わってきます。
今回は、メーカーによってさまざまなデザインや機能がある股関節用のサポーターを、どのように選べば良いかのヒントになるよう、サポーターについて考察してみます。
まず、股関節の痛みの原因を知るところから。
股関節の痛みにはさまざまな原因が上げられます。若い世代の場合には、激しいスポーツなどの際に起きた、捻挫や脱臼などのケガが多いでしょう。また、運動不足の方が急に身体を動かした場合の筋肉痛や、中高年になると変形性股関節症などの病気の場合もあります。また、日頃の姿勢が悪く、背骨から骨盤に歪みが生じ、その症状として股関節に痛みが出ることもあります。とくに女性の場合には、妊娠や出産によって骨盤が歪む可能性が高くなっています。
股関節用のサポーターは、そうした様々な痛みの中でも、ケガや病気によって、股関節が骨盤のくぼみ(寛骨臼)からはみ出すような場合に発生する痛みを想定して作られたものがほとんどです。
つまり、股関節まわりの筋肉を使い過ぎたときに発生するような痛みに対してはあまり効果は得られないでしょう。
以下では、股関節の痛みの症状や原因から、さまざまなサポーターの特徴を考察してみました。サポーター選びのヒントとして参考にしてみてください。
片側の股関節の痛みが気になる場合は「ベルトタイプ」
インターネットで「股関節 サポーター」で商品検索をかけてみると、大きく2つのタイプのデザインが見受けられます。
その一つが、腰回り(骨盤)と、痛みがある側の太ももを、それぞれベルトで固定する「ベルトタイプ」です。
このデザインは、3点固定の原理で、外側に外れようとする股関節を固定することを想定されて作られており、痛い方の股関節の動きを補助するものになっています。また、マジックテープなどで装着しやすく、固定力をコントロールしやすいのが大きな特長といえるでしょう。
両側の股関節の位置を整える「スパッツタイプ」
股関節のサポーターのデザインのうち、もう一つのタイプが、「スパッツタイプ」です。
いわゆるガードルのように履くスタイルのもので、左右から股関節全体を圧迫してズレを矯正し、股関節まわりの筋力が発揮しやすい状態を補助するものとなっています。ベルトタイプほどの固定力はありませんが、テーピング加工など、それぞれのメーカーによって工夫が施されており、ケガなどを予防するツールとしての役割が強いといえます。
アスリート向けの「スポーツ用デザインタイプ」
サッカーなどのスポーツ選手は、股関節まわりのオーバーユースによるグロインペイン症候群(鼠蹊部痛症候群)といわれる、股関節の痛みがあります。
アスリート向けとして販売されているサポーターが、必ずしも症状に効果を発揮するわけではありませんが、伸縮性や吸湿速乾性などに特化した“素材”に着目した商品が多く見られます。また、スポーティーなデザイン性も特徴のひとつです。そのため、痛みを軽減するというよりは、ケガの予防や再発を気にせず、安心して動けるとか、積極的にスポーツに取り組めるといった側面が強いでしょう。
骨盤の歪みからくる痛みには「骨盤矯正ベルト」
股関節は骨盤とつながっているため、骨盤の歪みが股関節の痛みになる場合も多々あります。
先にも書きましたが、女性の場合には、妊娠や出産によって骨盤そのものが歪み、そこから股関節の痛みが発生することも少なくありません。
なお、骨盤の歪みは、左右で高さが違う場合や、左右で前後に傾いている場合などがありますので、医師や専門家のアドバイスを受けながら商品を選ぶことをおすすめします。
「腰痛用のコルセット」が股関節痛に効く場合も
太ももの付け根の部分は、骨盤を通過して腰の筋肉(大腰筋)ともつながっています。また、骨盤は背骨を支えているため、背中の歪みが股関節の痛みの原因になっていることもあります。
腰と股関節は離れているように思えますが、腰痛用のコルセットで腰骨の歪みを矯正することで、動きがスムーズになる可能性も十分に考えられます。
股関節用のサポーターに限定しすぎず、選択肢の一つとして考慮してみてください。
ランナー用の「サポートタイツ」も選択肢のひとつ
股関節の痛みは、O脚やX脚、脚の長さが左右で違うといった骨格の問題に起因することもあります。膝や足首の関節の歪みから発生する場合も少なくありません。
その点で、ランナー用のサポートタイツは、足首から膝、太もも、腰回りまで下半身全体を効率よく固定してくれるため、股関節の痛みにも効果が見られるかもしれません。
最近は、テーピング理論を活用したものなど、新しい機能を持った商品がたくさん開発されています。
ランニングなどの運動をする、しないに関わらず、試してみる価値はあるでしょう。
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過信は禁物!股関節用サポーターは、あくまで筋力を補助するグッズ
股関節の痛みは、人それぞれで違います。それに応じて、最近の股関節用サポーターは、医師が監修したものや、理学療法士が考案したもの、先進のテーピング技術を活用したものなど、メーカーによってそれぞれ特長のあるものが多数販売されています。そうした商品の中から、試行錯誤して、ご自身にぴったりフィットするものを見つけてください。
ただし、どの商品も、装着することで痛みを軽減することは保証されておらず、ましてや病気やケガが治ることは絶対にありません。
どちらかというと、あくまで「股関節の動きを補助する」もので、歩いたりする時に「安心感が得られる程度」のものといった意識で選ぶことが大切でしょう。
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