脚痩せやデトックスに!リンパの働きを促進する股関節エクササイズ

美容や健康に関するキーワードのひとつとして知られる「リンパ」。顔や首、鎖骨まわりや脇の下など上半身の“リンパの流れ”の大切さは、よく耳にしますが、股関節部分にも、たくさんのリンパ管が集まっていることはご存知でしょうか。

リンパは、むくみやデトックスに深く関係し、流れが悪くなると病気にもつながりかねない大切な循環器官です。

長時間のデスクワークや運動不足などで、下半身のむくみや冷え性などでお困りの方には、ぜひ知っておいて欲しい「リンパ」の基礎知識と、股関節まわりのリンパの流れを促すエクササイズをご紹介いたします。

知っていそうで知らない、「リンパ」の働き

リンパは、血液を運ぶ動脈と静脈に続く「第三の循環」と呼ばれ、全身の皮膚のすぐ下を「リンパ管」が網目状に張り巡らされています。このリンパ管の中には「リンパ液」という液体が流れており、タンパク質や白血球などを全身に運び、老廃物を排出します。また、首の付け根や脇の下、脚の付け根などリンパ管が集中する部分には、「リンパ節」という豆のような形をした組織があり、菌の感染などが全身に広がるのを防ぐ“濾過器”のような役割を果たしています。

脚の付け根の前面(鼠蹊部)にある鼠蹊リンパ節は、心臓から遠い脚にリンパ液を送り、老廃物を運んで心臓へと返すという、身体の他のリンパ節よりも非常に重要な役割を果たしています。

こうしたリンパの流れは、筋肉がポンプのような働きをすることで循環させているのですが、長時間のデスクワークや立ちっぱなしの仕事などをしていると、筋肉が硬直化してしまい、うまく循環できなくなってしまいます。

とくに座りっぱなしの状態は、股関節を90度に屈曲したままリンパ節を圧迫し、また筋肉も使わないため、下半身のリンパの流れは非常に悪くなってしまいます。

何もしていないのに、ふくらはぎや太ももがむくんでしまうのは、こうした同じ姿勢を続けていることによるリンパの循環不全が主な原因といえるでしょう。

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脚のむくみや冷えを改善する、股関節のエクササイズ

リンパの流れを促進するには、リンパマッサージが効果的なことが良く知られています。しかし、筋肉を動かすことによって起こる循環器系のポンプ効果を高めるには、外側からの揉みほぐしだけでは不十分です。下半身はもちろん、全身のすみずみまでリンパが流れるよう、股関節まわりの筋肉はしっかり動かしましょう。

鼠蹊リンパ節の流れを促進するエクササイズとして、ごく簡単なエクササイズをご紹介します。

四つん這いで行う股関節エクササイズ

①四つん這いになり、片方の膝を床から持ち上げます。

②股関節だけを使って、持ち上げた膝を胸から横、後ろへ半円を描くように動かします。このとき、骨盤を床と平行になるように水平に保ち、背中を丸めないように意識します。

③5〜10回繰り返したら、逆方向(後ろから横、胸の順)にも同様に動かします。

④反対側の脚でも同様に動かします。

上記2つのエクササイズは、背中を丸めて腰から動かすと、股関節まわりの筋肉は働かず、鼠蹊リンパ節に効果がなくなります。姿勢には十分に気をつけてください。

イスに座って行う全身リンパエクササイズ

①イスに座った状態で、両肘、両膝を胸の前に集めます。

②両腕、両脚を、大きく開きます。カエルがジャンプする時の姿をイメージすると上手にできるでしょう。

③5〜10回繰り返し行います。

股関節だけでなく、両腕も一緒に動かすことで、鼠蹊リンパ節以外の脇の下や膝まわりのリンパも刺激できるので、全身のリンパの流れを活性化できます。デスクワークで一息つきたいときに行うと良いでしょう。

股関節のリンパの流れを良くするために、ふくらはぎも鍛えよう!

「身体の下水管」とも呼ばれるリンパの中で、鼠蹊リンパ節は上半身と下半身をつなげるリンパの「関門」。そして、リンパを上半身に送り戻す「ポンプ」の役目を果たすのは、筋肉です。

とくに人体の身体の中で「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎは、下半身の血行やリンパの流れを促進する上で、とても大切な役割を果たします。

ふくらはぎの筋肉を鍛えることは、脂肪の燃焼や血行を促進するため、脚痩せや冷え性改善にも役立ちます。

股関節まわりの筋肉を動かしたら、一緒にふくらはぎのストレッチなども行うようにして、下半身全体の血行、リンパの流れを活性化させるよう心掛けましょう。

以下に、ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチをご紹介いたします。

立って行うふくらはぎのストレッチ

いわゆるアキレス腱を伸ばす運動を身体を揺すらず、筋肉をゆっくり伸ばすように行うストレッチです。

①ストレッチする足を後方に伸ばし、かかとを上げないようにしながら、背骨をまっすぐ伸ばしたまま前足の膝を曲げていきます。
②後ろ足のふくらはぎを意識しながら、体重を前足にかけていき、痛みを感じる手前でストップし、そのまま30秒キープします。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。

座って行うふくらはぎのストレッチ

オフィスの椅子などに座ったままできる簡単なストレッチです。

膝を伸ばして行うことで腓腹筋の伸張に効果を発揮します。

①椅子に浅く座り、ストレッチをする足を前に伸ばします。
②背筋を伸ばしたまま、手でつま先を掴むように身体全体を倒していき、ももの裏から膝裏、ふくらはぎまで伸びているのを感じたら、そのまま30秒キープします。
③同様のストレッチを左右それぞれ行ってください。
※足先まで手が届かなくても無理のない範囲で行ってください。

リンパは、流れが悪くなって循環不全に陥ると、腫れや痛みを伴うだけでなく、病気に体する抵抗力も損なわれてしまいます。感染症やリウマチ、がんなどの重い病気は、とくにリンパの機能と密接に関わっています。

中でも股関節前の鼠蹊リンパ節は、とても重要なリンパ節です。病気にならない健康的な身体づくりのためにも、日頃から股関節の動きを良くしておくよう、心掛けてください。

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