股関節の骨折に関するQ&A
この記事では、股関節の骨折についてのよくある疑問について、ご紹介していきます。
股関節の骨折と聞いて、どのようなイメージができるでしょうか。
そもそも股関節の骨折とは何かという内容から、実際に骨折してしまった場合、どのくらいで問題なく日常生活を送れるようになるかなどをご紹介していきます。
そもそも股関節の骨折って何?
股関節の骨折とは、太ももの骨である大腿骨の上の部分が折れてしまうことです。
その中でも、大腿骨頚という、大腿骨上部の細くなっている部分で折れてしまう場合がほとんどです。
その他には、転子間という、大腿骨上部の外側で折れてしまうケースもあります。股関節の骨折の主な原因は、加齢による骨密度の低下です。
特に、女性は男性に比べ骨密度が低い為、股関節の骨折は高齢者の女性に多いといわれています。また、骨密度が低下してしまうと、転倒した場合に股関節を骨折することがあります。その他には、タックルの多いスポーツや交通事故などにより、股関節を骨折する場合があります。
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股関節を骨折してしまったら、どのように対処すれば良いの?
まず、股関節を骨折してしまった場合には、動くことは困難になります。
その為、周りの人に助けを求め、救急車を呼んでもらいましょう。
救急車がくるまでの間は、自力で動こうとせず、周りの人に助けてもらい、安全な場所で安静にしておきましょう。
とにかく、自分が一番楽な姿勢を見つけ、その状態で待機することを心掛けましょう。
もし、出血を伴っている場合には、止血をしてもらい、貧血状態にならないように注意しましょう。
股関節を骨折した場合、どのくらい入院するの?
まず、股関節を骨折した場合ほとんどが手術を必要とします。入院期間は、平均的に2週間から3週間といわれています。長くても4週間程度です。
退院した後は、リハビリ施設へ通院するようになるケースが一般的です。
股関節を骨折してから、どのくらいで歩けるようになるの?
手術をした後は、車椅子での移動になりますが、同時に歩行訓練も行います。
どのくらいの期間で歩けるようになるかは、その人の年齢や体力などによって杖を使わず歩けるようになるまでの期間が異なるので一概には言えません。
だいたい、半年から1年くらいで考えておくと良いでしょう。
最初は車椅子での移動、次に杖を使った歩行、最終的には杖を使わず歩けるようになるまで、リハビリを行います。
股関節の骨折に、重症度のレベルはあるの?
股関節の骨折といっても、軽度のものから重度のものまで様々です。
重症度のレベルは、一般的に四段階に分けられています。
一番軽度のレベルは、骨にひびが入っていて、完全に骨折はしていないものです。
二番目は、完全に骨折してはいるが、折れた骨同士でずれが生じていないものです。
三番目は、完全に骨折していて、折れて骨同士でずれが生じているものです。
四番目は一番重症なもので、完全に骨折しており、折れた骨同士が大きくずれてしまっているものです。
このように、股関節の骨折といっても、重症度によって回復までの期間やリハビリの内容が異なります。
重症度は、レントゲンを撮って骨の位置を確認した上で診断されます。
股関節を骨折した場合、後遺症はあるの?
股関節を骨折した場合、後遺症が発症してしまう可能性があります。
その後遺症について、4つの項目に分けてご紹介していきます。
股関節の可動域制限がかかる
手術をしたことで、股関節周辺の筋肉が硬くなってしまいます。
その為、骨折する前と比べて、股関節が動かしにくくなり、可動域に制限がかかってしまいます。
神経障害が起こる
股関節周辺にも、神経組織が多数存在しています。
股関節を骨折した際に、何らかの形で神経が損傷してしまうと、神経障害が起こってしまうケースがあります。
動揺関節になってしまう
交通事故などの影響により、関節が異常な動きをしてしまうケースがあります。
その場合には、補強の為の器具を使用し、関節を保護します。
大腿骨が変形してしまう
大腿骨が変形してしまう、変形障害といわれる症状が発生する場合があります。
その場合にも、補強器具をつけるケースがあります。
まとめ
股関節の骨折について詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
「股関節の骨折」と一口に言っても、重症度により程度が違ったり、後遺症のありなしなど、様々なケースがあります。
また、もしご自身が股関節を骨折してしまったらどのように対処をすれば良いかも確認しておき、いざというときの為に頭の片隅に入れておきましょう。
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