ストレッチにプラスαして効果アップ!日常動作と食事で股関節を柔らかくする方法

股関節の柔軟性を保つには、さまざまなストレッチを行って股関節の動きに関連する筋肉をひとつひとつほぐすのが、いちばんの方法。しかし、日頃から運動をする習慣がなく、仕事や家事に追われている方々にとっては、そうした時間をとることも難しいかも知れません。

ストレッチほどの効果は得られなくても、日常的な動きの中で正しい姿勢を意識するだけでも、股関節の動きは改善されます。

また、股関節の動きを助ける食事をとることも、とても大切です。

習慣づけるまでに時間がかかるかもしれませんが、ふだんの生活を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

股関節を柔らかくする、日常的な7つの動作

股関節まわりには、人の動作に深く関わっているのに、ふつうの暮らしの中では意識されづらいため、固まりやすい筋肉が集まっています。また、股関節のズレは骨盤や背骨のズレにつながり、体調全般に大きく影響します。日頃から、股関節を積極的に動かすよう意識づけて、スムーズな身体の動きを取り戻しましょう。

①背筋を伸ばして地面を蹴るように歩く。

歩く時は、必ず背筋を伸ばすよう意識して。前に出す足はかかとから着地し、後ろ足の親指で地面をしっかり蹴り出すように心掛けます。たまには少し大股で歩いてみたり、ウォーキングをすると、さらに股関節まわりの筋肉を動かせるようになります。

②立ち止まる時は、体重を両脚にかけるように。

信号待ちなどで立ち止まるときは、骨盤が水平を保てるよう、身体の重心が両脚にバランスよくかかるように意識します。片足重心は、骨盤の歪みや股関節痛の原因にもなります。お尻に少し力を入れるよう意識すると、自然と背筋が伸び、ヒップアップの効果もあります。

③イスに深く座り、テーブルに肘をつかない。

股関節が硬い人は、骨盤が後ろに傾き、腰から背中が丸くなりがちです。楽な姿勢のように思えますが、実は背骨や腰に大きな負担をかけてしまいます。イスには深く座り、骨盤を立てることを意識すると自然に背筋も伸びますよ」。

④洗面の時は、股関節を曲げるように。

手洗いや洗面のときなど、少しかがむ場合には、背筋を伸ばしたまま、お尻を後ろに突き出すようにして膝を曲げるようにします。腰を丸めるのではなく、脚の付け根から身体を折るような姿勢を意識しましょう。

⑤床にあるものを拾う時は、腰全体を落とす。

落としたものを拾ったりする場合などは、腰を丸めて手を伸ばすのではなく、腰全体を落とすようにしてかがみましょう。また、重いものを持ち上げる場合などは、腰ではなく、お尻の筋肉を使うつもりで脚を開き、片膝をついて丁寧に持ち上げてください。

⑥ズボンや靴下は、立ったまま履く。

ズボンや靴下を履く時は、できるだけ立ちながら履くようにしましょう。このとき身体がぐらついたら、股関節まわりの筋力が弱まりバランスが取りづらくなっているサイン。日頃のこうした動作から、股関節まわりの筋肉を使うようにしましょう。

⑦できるだけ階段を使うように。

階段の上り下りも、股関節まわりの筋肉を使う絶好のチャンス。このとき背筋は曲げないように、上りは脚の付け根から太ももを持ち上げるように、降りる時は腰を下げるように意識すると効果的です。

 

立つ、歩く、座るといった人の動作のほぼ全てに関わる股関節の動きは、“正しい姿勢”を保つことでスムーズになります。

日頃のクセはなかなか抜けにくいものですが、日常のちょっとしたシーンごとに思い出す程度で大丈夫ですので、“正しい姿勢”を心掛けてください。

関連記事:「歩くと股関節が痛い人」が知っておくべき3のこと

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栄養バランスが何より大事!股関節に良い食事

栄養のバランスが取れた食事を摂ることは、股関節の状態を守る方法のひとつ。股関節を動かす筋肉をつくる食品をはじめ、関節に良い栄養素を効率よく摂取して、健康的な生活を送りましょう。

脂身の少ない赤身のお肉は、筋肉をつくり、痩せやすくなる

三大栄養素のひとつであるタンパク質は、筋肉を生成するのに不可欠で、かつ燃焼しやすい性質があります。

お肉や魚・豆類などに豊富に含まれており、とくに、ササミやヒレなどの脂身の少ないお肉は、ダイエットの面でも効果を発揮します。必ず必要な栄養素なので、好き嫌いせず、1日3回の食事で必ず取り入れるようにしましょう。

関節の炎症を抑え、アンチエイジングにも役立つ野菜や果物

関節や骨の成分となるカルシウムと、そのの吸収を良くするビタミンDを多く含む魚類やキノコ類、乳製品、野菜類をはじめ、各種ビタミンをやミネラルを含むリンゴやミカンなどの果物は積極的に摂りましょう。

また、股関節の動きを阻害する原因のひとつに、周囲の筋肉の炎症があります。抗炎症、抗酸化、抗アレルギー作用のある栄養素や食品については以下のようなものがあります。

  • アリシン…にんにく、ネギ、ニラなど
  • カプサイシン…トウガラシ
  • クエルシトリン…ドクダミ茶
  • クルクミン…ウコん(ターメリック)
  • プロメライン…クルミ、生のパイナップル

さらに、近年は、フードファクターと呼ばれる微量栄養素にも注目が集まっています。いろんな食品を食べることで、身体に良い栄養を取り入れるようにしましょう。

  • ポリフェノール…ブドウ、大豆、ゴマなど
  • ルテイン…緑黄色野菜全般
  • リコピン…成熟トマト、スイカなど
  • スルフォラファン…ブロッコリー

関節にいいサプリメントは、本当に効く?

TVのCMでもよく耳にする「グルコサミン」や「コンドロイチン硫酸」といったサプリメントが、股関節の痛みのある人たちの間で人気です。

しかし、これらのサプリメントを、関節の状態を良くする薬のように勘違いして服用されている方も多いようです。

残念ながら、効果がまだ医学的に実証されていないこともあるので、サプリメントはバランスの良い食事を補助するものといった意識で飲むようにしましょう。

冒頭でも触れましたが、股関節の動きの柔軟性を保つには、毎日のストレッチをするのが最も効果的な方法です。

しかし、日頃の姿勢を正しくし、栄養バランスの良い食事を摂ることが、股関節を整える一助になることも間違いありません。

ストレッチの習慣と生活改善を一緒に行えば効果はさらに高まります。

これを機に、健康的な暮らしの改善に取り組んでみてください。

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